フィスコ 為替メールマガジン(毎朝発行)
「為替市場オープニングコメント」
2006年5月15日(月曜日)
株式会社フィスコ
「3月の米・貿易収支発表後にドル・円が一時反発も・・・」
【12日のN.Y.外為市場概況】
3月の米・貿易赤字額が予想以上に縮小したことや4月の輸入物価指数が
大幅に上昇したことでドル・円は一時110円63銭まで上昇したが、
N.Y.ダウやナスダックの大幅続落を意識したドル売りが活発となり、
結局は110円00-05銭で引けた。ユーロ・ドルは1.2854まで反落したが、
ECB筋が6月に0.5%の利上げ実施の可能性が残されているとの発言したことで1.2935まで上昇、1.2925-30ドルで引けた。
ユーロ・円は142円45銭まで上昇した。ポンド・ドルは一時1.9002まで買われた。ドル・スイスは1.1968まで下げた。
豪ドル・ドルは0.7789まで買われたが、0.78ドルをプロテクトする豪ドル
売りの影響やユーロ、日本円に対する豪ドル売りの影響で伸び悩んだ。
豪ドル・円は85円85銭付近に上昇したが、その後に85円付近に下げた。
NZドル・円は一時69円60銭付近に上昇したが、豪ドル・円の反落に
連れて69円付近に反落。NZドル・ドルも0.6308付近まで買われたが、
最後は0.6290-00でもみあいとなった。
ドル・カナダは3月のカナダ・貿易黒字額が予想を下回ったことや短期筋の
ドル買い戻し、欧州通貨や日本円に対するカナダドル売りのフローが観測されており、一時1.1099まで反発した。
カナダドル・円は100円付近に上昇したが、最後は99円15銭前後に下げた。
【原油先物市場】
4日ぶりに下落。IEAの月報で今年の世界の原油需要見通しが下方修正
されたことや短期筋の調整売りなどが下落要因となった。
「ナイジェリアの石油パイプラインが爆発し、150人前後の死亡者が
出た」との報道に対する反応も限定的だったようだ。
NYMEX原油先物価格は72.04ドルでこの日の取引を終えた。
12日の欧米外為市場の主要通貨取引レンジ
USD/JPY:109円31-110円63銭 EUR/USD:1.2854-1.2957
EUR/JPY:141円17-142円45銭 GBP/USD:1.8876-1.9002
<要人発言から>
パラモECB理事:
「調整には0.5%の利上げも必要」
「見通しが確認されれば利上げの必要もある」
スノー財務長官:
パラモECB理事:
「財政赤字の大幅削減が予想される」
「経済成長は+3.1%を上回る可能性もある」
シカゴIMM・Non Commercialポジション動向(5月9日時点)
日本円: +18844 (+16155) 英ポンド: +25767 (+7143)
カナダドル: +28873 (-3279) ユーロ: +72911 (-1563)
スイスフラン -11013 (+1616) 豪ドル: +28854 (+7081)
NZドル: +6886 (+683)
<今日のコメント>
本日は、米国5月のニューヨーク連銀業況指数で米国の景況感を見極め、3月の対米証券投資では、米国のファイナンス状況を見極めることになる。
対米証券投資の市場予想は800億ドルとなっており、2月の869億ドルから減少するものの、3月の貿易赤字620億ドルはファイナンスできていることになっている。
しかしながら、4月のワシントンG-7声明が「為替相場の柔軟性」を求めた国々、
産油国(ロシア、中東諸国、南米諸国)、アジア新興国などからの資本流入、あるいは流出の傾向を見極めることが肝要となる。
18日にはスノー米財務長官が中国を為替操作国では無いと認定した「為替報告書」に
関して議会で弁明することになっており、バーナンキFRB議長の講演も予定されており、予断を許せない状況が続く。本日は、NY株式市場、シカゴ日経平均先物市場の下落を受けて、東京株式市場も軟調推移が予想され、円相場への影響を見極める展開が予想される。
【テクニカル分析】
・三角保ち合い下放れ⇒目標値108.82円(=116.81円-7.99円)
【ドル買い要因】
・米国金融政策:追加利上げ観測(5.00% 6/28-29)VS日本 ゼロ金利政策継続
・米国通貨政策:インフレ懸念でドル高政策VS日本 デフレ懸念で円安容認
【ドル売り要因】
・ワシントンG-7(4/22)特別声明「為替柔軟性」産油国、アジア新興国、中国
・米国ドル安容認政策の可能性⇒米国議会中間選挙(11月)
・米国金融政策:利上げ打ち止め観測(経済指標次第)
・地政学的リスク⇒外貨準備のドル離れ懸念
・日本金融政策:ゼロ金利政策早期解除(3月日銀短観+20)
・米国:双子の赤字、景況感悪化懸念
・中国人民銀行:中国人民元追加切り上げ観測&政策金利引き上げ5.85%(4/27)
・米国:保護主義へ傾斜懸念⇒議会中間選挙⇒貿易不均衡是正
予想レンジ:109円00銭-110円00銭 141円50銭-142円50銭
<国内>
08:50 3月の国際収支(予想+2兆500億円、2月+2兆2087億円)
08:50 4月の企業物価指数(予想+2.4%、3月+2.7%)
11:00 安倍官房長官、定例記者会見
12:30 日銀の福井総裁が都内で講演(内外情勢調査会)
14:00 3月の機械受注(船舶・電力を除く民需)(予想前月比+0.5%、2月+3.4%)
14:00 「日本経済の将来展望」コロンビア大学日本経済経営研究所主催
セッション1 「日本、東アジア、世界経済」
セッション2 「日本の新興産業の将来展望」
15:45 日銀の福井総裁がコロンビア大学ビジネス・スクール主催の
カンファレンスで基調講演
16:00 安倍官房長官、定例記者会見
17:00 細川財務事務次官、定例記者会見
17:00 五味金融庁長官、定例記者会見
<海外>
07:45 NZ・3月の小売売上高(予想+0.1%、2月+1.9%)
21:30 米・5月のニューヨーク連銀業況指数(予想17.0、4月15.81)
22:00 米・3月の対米証券投資状況(予想+800億ドル、2月+869億ドル)