【暴落】仮想通貨UST(TerraUSD)とは?特徴と今後の予想/見通しを解説
UST(TerraUSD)は韓国企業のTerraform Labsが発行している、アメリカドルに連動した値動きをするステーブルコインとして発行されている仮想通貨です。
発行元であるTerraform Labsは、複数のステーブルコインを取り扱うプラットホームであり、USTはその中の一つです。
USTは、幅広い機能を持ち、現在注目を集めているステーブルコインです。
また、2022年5月には歴史的暴落をした事でさらに大きな話題を生んでいます。
今回は、このUSTについて詳しく解説していきます。
- USTはアメリカドルに連動したステーブルコイン
- USTは無担保型ステーブルコイン
- 2022年5月にはUSTを支えるTerraの一斉売却を受けて暴落
- ステーブルコイン全体には厳しい風向きも
- USTを購入するために必要な仮想通貨はコインチェックで購入可能。
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UST最新ニュース
ここでは、UST最新ニュースを取り上げていきます。
USTに興味がある方は、現在の最新動向を逐一チェックしておきましょう。
2022年5月には、暴落したUSTの復興プランとして13億USTのバーン(焼却)が決まりました。
今回の動向は、旧テラコミュニティのガバナンス投票によって決定しています。
13億USTは、現在発行されているUSTの約11%相当量です。
5月27日に、コミュニティ全体で99.3%の圧倒的賛成により可決された形になります。
同時期に復興プランの一部として、テラ2.0が実装されることが決定しましたが、テラ2.0にはUSTが存在していません。
スナップショット時にUSTを保有していた方に対して、新たなテラ2.0トークンが順次配布されている状況です。
UST騒動の余波続く
2022年5月に大暴落を記録したUSTですが、その余波は現在も続いています。
主なニュース
2022年5月:韓国検察、UST急落を巡ってTerraform Labsの従業員を調査
2022年6月:米SECがDo Kwon氏を調査
2022年6月:米国版バイナンスがUSTを巡り集団提訴
2022年7月:米韓の捜査当局が仮想通貨犯罪に向け協力
仮想通貨の歴史で見ても大きな問題となっており、ステーブルコインの安全性を危惧する出来事となりました。
これにより、韓国や米国などでは仮想通貨規制の流れが強まっている状況です。
バイナンス、UST出金を一時停止に
2022年5月には、LUNAの大量売却によりUST価格も連動して大暴落をしています。
そして、5月10日には大手仮想通貨取引所のバイナンスが仮想通貨TerraとUSTの出金を一時停止する措置をとったことが大きな話題となりました。
バイナンスの公式は、TerraやUST売却を希望する投資家が増えたことにより、トランザクションの渋滞を懸念しています。
ネットワークの正常化と出金申請の希望が解消され次第、出金の再開をすると発表しており、保有者が出金できない状態が続いていました。
事実上の上場廃止となりましたが、5月13日には取引の再開をしており、現時点では出金・取引の機能すべてが利用できるようになっているようです。
しかし、バイナンス運営は「あくまで取引が再開されただけで、新規で購入はしてはいけない」との警告を出しています。
LUNAはステーブルコインUSTを支えるという性質がありますが、今回の暴落を受けてUSTの時価総額をLUNAが下回るという逆転現象が起きており、市場は大きく混乱しています。

仮想通貨USTとは?

通貨名 | TerraClassicUSD |
シンボル | USTC |
価格(2023年10月現在) | ¥1.80 |
時価総額(2023年10月現在) | ¥17,572,077,187 |
時価総額ランキング(2023年10月現在) | 175位 |
取扱取引所 | 国内取引所では取扱いはなし |
公式サイト | Terra公式サイト |
Terra USD/USTは韓国企業のTerraform Labsが発行している、アメリカドルの価格にペッグ(仮想通貨とアメリカドルの為替レートを一定に保つ固定相場制)したステーブルコインです。
ステーブルコインは「ブロックチェーン上にお金は置いておきたいけれどもボラティリティの高さを軽減したい」、という投資家に需要があります。
ステーブルコインは、ビットコインやイーサリアムよりははるかにボラティリティが小さいので、相場が下向きになりそうな時に価値の保存手段として大きな需要が生まれます。
また、送金の面においても価格がほぼ固定されているというのは送り手にとっても受け取り手にとっても都合が良いことが多いのです。
そのようなわけで、仮想通貨の発展にはステーブルコインが非常に重要となっています。
しかし、2022年5月にはは発行元となるLUNA価格の大暴落に連動して、USTも暴落している状況です。
2023年10月時点では、1USTが約1円台にまで落ち込むなど、大きな混乱を招いています。
また、現在は復興プランの一環として、USTからUSTC(TerraClassicUSD)に名称変更しています。
仮想通貨USTの特徴
USTの特徴は以下の4つです。
・無担保型のステーブルコイン
・USDTなどと比べて法的リスクが相対的に小さい
・ブリッジ機能で色々なブロックチェーンで使える
・テラブロックチェーンのTVLは第2位
以下順番に解説していきます。
無担保型のステーブルコイン
ステーブルコインは、価格を担保する方法で種類が分かれています。法定通貨担保型・仮想通貨担保型・無担保型の3種類があります。
USTは3番目の「無担保型」に該当します。
以下それぞれ解説していきます。
・法定通貨担保型
法定通貨担保型のステーブルコインは、ドル・ユーロ・円などの法定通貨を担保として、価格を安定させるための手法です。
そのための前提として、ステーブルコインと同量・同単価の法定通貨(多くはアメリカドル)を保有していることが必要です。
法定通貨担保型には、Tether(USDT)・TrueUSD(TUSD)・USD Coin(USDC)が該当します。
・仮想通貨担保型
仮想通貨担保型は、ビットコイン・イーサリアムなどの仮想通貨を担保にする手法です。
仮想通貨は安定した価格を保つことが難しいため、あまり採用されていません。
仮想通貨担保型の代表例としては、イーサリアムを担保とするステーブルコインのDAIなどが該当します。
・無担保型
無担保型は独自のアルゴリズムを使用し価格を安定させる、価格の安定性を保つ担保の無いステーブルコインです。
価格の安定性を保つためトークンを別途用意し、トークンの市場への供給量を調整し価格の安定性を保ちます。
無担保型はTerra(UST)などが該当します。

USDTなどと比べて法的リスクが相対的に小さい
USDTは、ステーブルコインの中では時価総額が1番多い仮想通貨です。
アメリカドルに連動したステーブルコインであり、ドルとの等価交換を保証していることが大前提です。
過去には、発行されているUSDTの26%は裏付け資産がないと報じられ、市場の懸念材料になっています。
2021年3月には、監査企業であるMoore Caymanが「テザー社とグループ企業が保有する資産は、発行したUSDTを償還するために必要な金額を上回っている」と証明しました。
USTでは、仮想通貨のLUNAを使用して価格を安定させています。
LUNAはUSTと同じTerraform Labs社が発行している仮想通貨です。
これまで法定通貨をペッグすることが一般的だったステーブルコインですが、自社発行の仮想通貨を使い、供給量を調節して1ドルに保つというのはTerraform Labs社が取り入れた革新的な取り組みです。
これまでは、LUNAの流動性からUSTの価値も安定していましたが、2022年5月にはLUNAの担保不足による懸念から大量の売却が生じ、USTも連動して暴落をしています。

ブリッジ機能で色々なブロックチェーンで使える

Terraのブロックチェーンは、コスモスネットワーク(Terraのブロックチェーンを開発したキット)以外のブロックチェーンとも送金を行えるようにするために「ブリッジ」という機能が利用できるようになっています。
「Terra Bridge」というブリッジは、イーサリアム・バイナンススマートチェーン・Osmosis(OSMO)・Harmony(ONE)・Terraのブロックチェーンに対応したシステムです。
別のDapps「Wormhole」は、イーサリアム(ETH)・アバランチ(AVAX)・ポリゴン(MATIC)・BSC・ソラナ(SOL)・Terra ・Oasis(ROSE)に対応しています。
ユーザーはブリッジ機能に対応したブロックチェーン上の資産を他のブロックチェーン上に移動できるようになります。
これにより、チェーンを跨いでDeFiの運用をしやすくなり、ユーザーにとって大きなメリットになります。
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テラブロックチェーンのTVLは第2位
DefiLlamaのデータによると、Terraのブロックチェーン上に、運用のためにロックされた仮想通貨の総価値「TVL(Total Value Locked)」は166億ドル(約1.8兆円)でした。
これはイーサリアムに次ぐ2位となっています。
この高いTVLが、USTの信頼性を保証している要因の一つであり、かつUSTが信頼されていることの証左と言えるでしょう。
しかし、2022年5月にはLUNA暴落の影響を受けてUSTも暴落し、価値の安定が担保されない通貨となってしまいました。
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仮想通貨USTの仕組み
TerraformはUSTの他にLUNAというトークンを発行しています。
USTを発行するには、同じ価値のLUNAをバーン(発行済みの仮想通貨を使えない状態にして、実質消滅させること)します。
USTの需要が多い場合は、価格を一定に保つためにUSTをバーンし、LUNAを発行します。
逆に、LUNAが多い場合は、LUNAをバーンしUSTを発行します。
これにより、USTは無担保型ステーブルコインの中では1位の発行量と取引高を誇っていました。
TerraformはUSTと同じ仕組みで、韓国ウォンに連動するTerraKRW(KRT)・モンゴルトゥグルグに連動しているTerra MNT(MNT)も発行しています。
しかし、提供元となるTerra(LUNA)の暴落を受けてUSTも下落したことから、2022年6月現在は無担保型のステーブルコインとして不信感が生まれている状況です。
仮想通貨USTの価格動向
仮想通貨USTの価格動向について、2023年の価格推移を例に解説します。

無担保でありながら、ドルとペッグしたステーブルコインという性質を持ったUSTは、対米ドルチャートで見るとそこまで大きな変動をしていませんでした。
USD(米ドル)価格と連動しており、安定した価格推移であったと言えるでしょう。
これは、先述したUSTがLUNAをペッグすることで価格を安定させる仕組みにあります。
しかし、2022年5月には大口投資家がLUNAの担保不足に不安を抱き、大量にLUNAを売却する動きが加速しました。
その結果、UST価格も連動して暴落をしてしまい、これまでの安定性といった信頼感が大きく崩れてしまったのです。
UST保有者が担保型のUSDCやUSDTに資産を移し替える動きを見せており、大きな波紋を呼んでいます。
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USTの価値は暴落したほか、元となる通貨Terraのエコシステムは存続危機にある状況なので注意しましょう。
リスクオフ相場を利用して、他の仮想通貨を入手する人が増えています。
また、復興プランとして新たに新テラ2.0の実装が開始されているので、そちらの動向にも注目しておくと良いです。
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仮想通貨USTのリスク
良いことづくめのようなステーブルコインもちろん仮想通貨ですのでリスクはあります。
ここでは、ステーブルコインに対するリスクについて解説していきます。
ペッグが外れる懸念
これまでは、安定していると考えられていたステーブルコインですが、2022年5月のUSTの暴落で、法定通貨とのペッグが外れるという懸念が持たれています。
今回のようなペッグが外れかけているという要因は、現時点(2022年5月)で不明とされており、ステーブルコイン全体への信頼が薄れてくる可能性も高いと言われている状況です。
・TronがUSTと類似したアルゴリズム型のステーブルコインをローンチ
・大量のUST預金がTerraのAnchor Protocolから引き出されていた
UST公式HPは、大口投資家による資金引き出しが要因として発表していますが、投資家の売買動向で大きく価格変動が起きるということは、ステーブルコインの意味をなさないのではないかという声も生まれています。
スターブルコインだからといって、必ずしも価格が安定するわけではないと考えられるきっかけになったと言えるでしょう。
アルゴリズム型のステーブルコインは失敗したのも多い
アルゴリズム型のステーブルコインとして失敗したものでは有名なものとしてIRONが挙げられます。
IRONはインフルエンサーが取り上げたこともあり、非常に有名になりましたが、取り付け騒ぎの状態となり崩壊してしまいました。
ステーブルコインIRONの仕組みとしては、価値を担保するために、ステーブルコインの「USD Coin(USDC)」と独自トークンであるTITANを組み合わせていました。
つまり1USDを例に取ると「1IRONにつき75セントのUSDCと25セントのTITAN」というような状態で、いわば混ぜ物をする形でステーブルコインを作成していました。
通常の場合では急な崩壊はしづらいと思われていましたが、多くのユーザーがIRONを売却し、それに伴って大量のTITANが売られたことで、TITANの価格が落ち始めました。
そして、それを見たさらに多くのIRON保有者がTITANの売却に走ることで、TITANの価格はどんどん下がりました。
その結果、2021年7月には1日で価値が42億分の1まで下がり、TITANは大暴落を引き起こしました。
各国の規制状況
ステーブルコインはアメリカを始め、各国が規制の動きを見せています。
ウォール・ストリートジャーナルの記事によると、アメリカのバイデン政権下では「ステーブルコインの発行元に対して、銀行と同等の制限を設ける」と検討している。とあります。
G20やIMF(国際通貨基金)でも同じように議論が行われ、TerraUSTを含むステーブルコインへの評価は厳しいという見方が濃厚です。
しかし、どのような形であってもステーブルコインというジャンルのニーズがなくなることはないと思われるので今後も規制当局との話し合いは重要そうです。
ただし、USTのような無担保型のステーブルコインに対しての風当たりは強くなるものと考えられています。
仮想通貨USTの将来性・今後の見通し
仮想通貨Terraのエコシステムをサポートする非営利組織「Luna Foundation Guard(LFG)」は、2月22日LUNAトークンのプライベートセール行い。10億ドル(約1,150億円)を調達したことを発表しました。
今回LFGが調達した金額は、仮想通貨業界の中でも最大規模です。
Jump CryptoとThree Arrows Capitalの2社がリード投資家となり、DeFiance Capital・GSR・Tribe Capita・Republic Capitalらが出資に参加しました。
この資金は、TerraUSTの準備金に使用され、ビットコインとして保有されることが決定しています。
資金調達した準備金は、マーケットの急変などに備え、USTの価格を維持するために使用される方針ですが、大暴落を招いている現在では期待よりも不安感の方が多いと言えるでしょう。
今後は、無担保でありながら流動性の確保をする新たな方法と、投資家への信頼感を取り戻す取り組みが最優先とされています。
仮想通貨USTのまとめ
今回は、ステーブルコイン USTについて解説しました。
・USTはアメリカドルに連動したステーブルコイン
・3種類のステーブルコイン
・ステーブルコインが持つリスク
・USTの見通し・将来性
・USTを購入するための仮想通貨は「コインチェック」で取引できる
仮想通貨よりも変動が少なく安定して保有できるのがステーブルコインの特徴ですが、2022年5月の暴落により危機的状況に陥っていると言えます。
取引を検討している方は、公式の見解や他のステーブルコインの動向を分析しておく必要があると言えるでしょう。
国内の仮想通貨マーケットでは取引できないので、「コインチェック」で仮想通貨を保有し海外の仮想通貨マーケットで取引してください。
また、2023年4月現在はUSTを含む無担保型のステーブルコイン購入に警告を出す取引所も増えています。
仮想通貨取引をする際は、慎重に検討するようにしましょう。
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