IPO投資とは?メリットからIPO株の買い方までまとめて紹介

作成日:2021年12月29日  更新日:2021年12月29日
IPO投資とは?メリットからIPO株の買い方までまとめて紹介

今回は「IPO投資」について解説していきたいと思います。

「IPO投資」は個人投資家さんの間で人気があり、IPOという言葉を目にしたことのある方は多いかと思います。

「興味はあるけれどやってみたことはない」という投資家さんにも、IPO投資の魅力とは何か、具体的にどうやって行えばいいのかなどをわかりやすくお伝えしていきます。

この記事の要点

・IPO(新規株式公開)とは、非上場企業の公開株株式を市場を通じ誰でも売買可能になることで、公開株の初値パフォーマンスに注目が集まっている

・公開株購入の手続きや注意点、よくある質問を知ろう

・2021年は100社以上が新規に上場しており、新型コロナウイルスの流行などの不透明感があるものの、上場意欲は強い

・2021年上場の注目企業を2銘柄を紹介

・IPO投資に対する情報収集を行うなら、FISCOのIPOナビスタンダード

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IPO投資とは?

IPOとは「Initial Public Offering」の略で、日本語では「新規株式公開」などとされます。

これまで限られた人の間でのみ売買可能だった非上場企業の株式が、市場を通じ誰でも売買可能になることです。

IPOの際、新株の発行=「公募」による資金調達や創業者など既存株主の保有株の「売出し」が行われ、これらは一般投資家でも購入可能です。

これを「IPO投資」といいます。

IPO投資のメリット

企業はなぜIPOを目指し、投資家にとってはどういったメリットがあるのか、いくつか挙げていきたいと思います。

早速確認していきましょう。

企業が上場する理由は?

上場による企業のメリットとしては、

・資金調達手段の多様化

・知名度、信用力等の向上

・社員のモチベーション向上

・出資者の投資資金回収や創業者メリットの享受

などが挙げられます。

上場で事業成長が加速するケースも多く見られます。

投資家のメリットは?

一方、投資家にも

・投資先の多様化

・上場時に公募株・売出株を取得できる

といったメリットがあります。

業績が急成長中だったり、AI(人工知能)・バイオなどの新技術の開発に取り組む新興ベンチャー企業も毎年多く新規上場しますので、こうした企業に注目している投資家さんにとってIPOは有望な投資機会となりますね。

ただ、IPO投資が個人投資家に人気のある最大の理由は、公募株・売出株(公開株)を取得できた際のパフォーマンスにあります。

公開株のパフォーマンス

次の表は公募株・売出株の取得する際の「公開価格」(株式市場で取引開始される際の基準価格にもなります)に対し、取引開始後に最初に付く株価である「初値」がどうなったか、2020年までの過去5年の結果を示したものです。

IPO銘柄の公開価格に対する初値の騰落状況

2020年の結果を見ると、新規上場93社(プロ投資家向けのTOKYO PRO Market上場や不動産投資信託=REITを除く)のうち、初値が公開価格を上回ったのが69社で全体の74.2%、対して下回ったのが23社で24.7%でした。

また、公開価格に対する初値の騰落率は93社平均で+129.9%となりました。

もちろん証券投資に際しては価格下落により損失が発生するリスクがあり、IPO株でも上場後に株価が公開価格を上回れないケースが見られます。

ただ、上の表で分かるように、全体として初値が公開価格を上回る確率、そしてその騰落率のパフォーマンスが良好であることが、IPO投資の人気の理由となっています。

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IPO投資の注意点(デメリット)

IPO投資に当たって注意すべき点やデメリットもいくつかあります。

早速確認していきましょう。

価格変動による損失発生リスク

2020年に上場した93社のうち、24.7%に当たる23社は初値が公開価格を下回りました。

平均的なパフォーマンスが良好とはいえ、IPO投資も価格変動による損失発生リスクとは無縁ではありません。

また、IPO投資に際し注意すべき点やデメリットはほかにもあります。

公開株購入時の注意点

公開株の購入はどの証券会社からも可能というわけではありません。

銘柄ごとに公開株の販売を担当する証券会社(「幹事証券会社」や「引受証券会社」といいます)が決まっているため、これらの証券会社に口座を開設し、「ブックビルディング」(需要申告)期間中に購入希望を申告する必要があります。

また、一般的にブックビルディング期間中の申告時(一部証券会社では当選決定後の購入申込み時)に購入に必要な資金を用意する必要があるので、忘れないようにしましょう。

なお、この購入資金はブックビルディング期間後の抽選で落選する、あるいは購入できた公開株を上場後売却するまで動かすことができません。

そのため、この期間中に別途必要になりそうな資金を用いるのは避けるべきですし、頻繁に証券取引を行う投資家さんはこの期間中の投資可能資金が減ってしまうことに注意する必要があるでしょう。

抽選時のハードルの高さ

最後に注意すべき点として、公開株の購入希望を申告したとしても、その後の抽選でのハードルが高いことが挙げられます。

販売される公開株数を購入希望数が上回ることが一般的で、その倍率は数倍から数十倍、公開株数が少ない場合では数百倍に上るケースもあります

当選を目指すなら根気強く購入希望の申告を出す必要がありますね。

ただ、こうした手間があるにもかかわらずIPO投資は多くの個人投資家から人気を集めています。

 

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IPOの流れ

IPOまでのスケジュールとやるべきこと

企業が新規上場までのスケジュールは上の表のとおりです。

順を追って確認していきましょう。

IPO発表~上場の1カ月程度前

上場の1カ月ほど前、証券取引所が当該企業の新規上場を承認するとともに、上場日までのスケジュールなどIPOの詳細が発表されます。

これにより当該企業の新規上場が周知されることになります。

ちなみに、これより前の上場に向けた企業の動きは一般的に公表されない(注目企業は事前に上場観測が報道される場合もあります)ですが、社内体制の整備や会計監査など準備すべきことは多岐にわたり、数年の歳月を要します。

話を戻しますが、公開株の購入を検討する場合は幹事証券会社に口座を持っているかどうか確認(必要に応じて口座開設)したり、幹事証券会社で入手できる「目論見書」(当該企業や公開株の販売に関する情報が記載された資料)を見て投資判断に向けた準備をしたりしましょう。

ブックビルディング期間~1週間程度

その後、価格の目安となる「仮条件」が発表され、ブックビルディング期間に入ります。

仮条件は一般的に「1000~1200円」などといったレンジで設定されます。

公開株の購入希望者はブックビルディング期間中に「仮条件内のいくらで、何株欲しいか」を幹事証券会社に申告します。

前述のとおり、この際に購入資金の入金を求められるケースもありますが、証券会社ごとに異なるためよく確認しましょう。

また、ブックビルディング期間は一般的に1週間(5営業日)程度ですが、最終日の締切時間は証券会社によってまちまちなので、間に合わなかったなどといったことのないように確認しておく必要があります。

抽選~購入申込み~上場

ブックビルディングで申告された需要に基づいて実際の購入価格となる公開価格が決まり、購入希望が公開株数を上回った場合は抽選等で購入できる投資家を決めます。

当選できた場合、購入の申込みをしますが、ここで購入をやめることも可能です。

この申込期間は一般的に4営業日ほどですので、忘れず対応するようにしましょう。

そして上場日以降、購入した公開株の売却が可能となります。

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IPO投資を行う際によくある質問

IPO投資を行う際の質問をまとめました。

しっかり確認しておきましょう。

新規上場企業は毎年何社ある?

IPO投資に当たりまず気になるのは、新規上場企業が毎年何社程度あるのかという点です。

新規上場企業が多ければそれだけIPO投資の機会も増えるからですね。

年間の新規上場企業数の推移(2011年~)

上のグラフからわかるとおり、2015年から2020年まで新規上場企業は年90社前後で推移していました。

ただ、2021年は125社と大幅に増加しました。

新型コロナウイルスの流行などで企業を取り巻く環境には不透明感があるものの、上場意欲は強いことがうかがえます。

もう1点、IPO件数には季節性があることにも触れておく必要があるでしょう。

月ごとの新規上場企業数(2021年)

上のグラフを見ると、2021年通年で125社が上場する予定ですが、月ごとに見ると12月(32社)、6月(22社)、9月(14社)などに偏っていることがわかります。

例年、3の倍数月に多い傾向があり、特に年末の12月は「IPOラッシュ」となることが多くあります。

もちろん、それだけIPO投資の機会が多いということですが、複数のIPOでブックビルディングが同時進行すると、購入希望の申告などの手間がかさんだり、一度に多くの購入資金が必要になったりするという点に注意する必要があります。

IPOの抽選に当選しやすくするには?

先に述べたとおり、公開株の購入に際しての抽選倍率は数倍から数十倍、場合によっては数百倍に上ります。

「それではなかなか当たらないということか」と思われるでしょうが、実は当選確率を少しでも上げるための方法はいくつかあります。

特に重要なのは「主幹事証券会社」を把握することでしょう

主幹事証券会社とは、当該企業が上場に至るまでに様々なサポートを行い、幹事証券会社のなかでも中心的な役割を担う証券会社を指します。

先に説明したとおり、IPOでは複数の幹事証券会社が公開株の販売を担当するわけですが、なかでも主幹事証券会社は高い場合で9割もの販売シェアを握ります。

当選確率を少しでも引き上げたいのであれば、販売される公開株が多い主幹事証券会社で購入希望を申告するのがよいということですね。

なお、2021年の証券各社の主幹事案件数は以下のとおりです。

証券各社のIPO主幹事数(2021年)

IPO投資で証券会社ごとに違いはある?

IPO投資は個人投資家さんに非常に人気とあって、独自の取り組みを行っている証券会社も多くあります

例えばSBI証券には「IPOチャレンジポイント」があり、ブックビルディング後の抽選で外れた回数に応じて加算されます。

そして次回以降のIPO申込み時にこのポイントを使用することで当選しやすくなるのです。

また、マネックス証券は公開株の配分に当たり100%完全平等抽選となっており、野村證券や松井証券はブックビルディング参加時の事前入金が不要です。

うまく利用すれば、当選確率を引き上げたり、ブックビルディング参加時の負担を軽減できたりしますね。

IPO株の選び方は?

最後に、投資家さんにとって一番気になるIPO株の選び方です。

基本的にIPO株も通常の株式投資と同様に、当該企業のビジネスモデルや業績推移等を見たうえ、設定された公開価格に上昇余地がありそうかどうかで投資判断を行います。

但し、取引開始当初のIPO株は株式需給(売りと買いのバランス)の影響をより強く受けやすい傾向があります。

そのため、特に初値で早々に利益確定したいという投資家さんの場合、株式需給を決定づける要因にも目配りする必要があるでしょう。

株式需給に影響するいくつかのポイントを挙げたいと思います。

公募・売出金額の規模(公開規模)

企業はIPOの際、新株の発行=公募による資金調達や創業者など既存株主の保有株の売出しを行います。

この公募・売出しで企業の集める資金の規模(公開規模)がIPO株の取引開始当初の需給に大きな影響を与えます。

公開規模が大きければ大きいほど販売された公開株が多いと言え、運よく公開株を取得できたものの、取引開始早々に換金売りしたい投資家は一定程度存在します。

つまり、公開規模が大きければそれだけ換金売りが出やすく、初値を抑制する要因となるわけです。

公開規模が大きく、販売される公開株の多いIPOはブックビルディング時の当選確率も上がりますが、こうした換金売りを上回るだけの買いが入るかどうかの見極めが必要ですね。

逆に公開規模の小さいIPOは取引開始当初の売りが少なく、株式需給がひっ迫して初値を大きく伸ばす傾向があります。

ただ、販売される公開株も少なく、ブックビルディング時の当選確率は低くなってしまいます。

上場前株主の株式保有状況や売却制限(ロックアップ)

もちろん企業には上場前から株主が存在します。

創業者や役職員、取引先等に加え、未上場企業への投資を専門にする「ベンチャーキャピタル」と呼ばれる投資会社やファンドが株主となっているケースもあります

ベンチャーキャピタルは上場時に投資資金の回収を行うのが一般的です。

IPO時の売出しで保有株を放出しつつ、上場後も一定の持ち分を残す場合があり、これら株主による売りを想定する必要が出てきます。

通常、取引開始時に株式需給が大きく乱されないようにするため、上場前株主には売却制限(ロックアップ)が課されています。

ただ、ロックアップの期間は上場日後90日~とまちまちで、公開価格の1.5倍以上ならロックアップ期間中でも売却可能といった条件が付されているケースもあります。

特に持株比率の高い上場前株主の動向は株式需給に大きな影響を与えるため、注視しておきたいところです。

これらの需給要因に企業のビジネスモデル、業績推移等まで目配りしながらIPO投資を続けていくと、徐々に初値の目安というものがわかるようになってくるかと思います。

しかし、仕事をしながら株式投資を行っている方などは、目論見書等を読み込んで投資判断に必要な多くの情報を集めるのもなかなか難しいかもしれません。

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2021年上場の注目企業

さて、2021年は125社が上場しましたが(12月24日時点)、これらのなかには有望企業も多数あります。

フィスコアナリストが注目する2社を見てみましょう。

4194 ビジョナル

ビズリーチサイト画像
引用:「ビズリーチ」サイト

2021年4月22日に東証マザーズに上場、公開価格推移5000円→初値7150円→12月24日終値10090円。

高年収の人材に特化した転職サイト「ビズリーチ」がCM等で良く知られていますが、採用・人材管理クラウドサービス「HRMOS」なども手掛けています。

2022年7月期連結業績は、売上高が前期比42.9%増の410億円、営業利益が同2.5倍の60億円となる見通しです。

第1四半期(21年8-10月)決算が良好な内容だったことから、早々に期初の予想を上方修正しました(従来予想は売上高377億円、営業利益26.70億円)。

ビズリーチはコロナ禍の影響を受ける場面もありましたが、足元で成長軌道に回帰してきています。

今第1四半期のビズリーチ売上高は前年同期のハードルがやや低かったとはいえ、68.8%増という高い伸びでした。

HRMOSの売上高も順調に増えており、株式時価総額は東証マザーズ市場でメルカリ<4385>に次ぐ2位に躍進しています。

4180 Appier Group

Appier Groupホームページ画像
引用:Appier Groupホームページ

2021年3月30日に東証マザーズ上場、公開価格1600円→初値2030円→12月24日終値1319円。

台湾発のAI(人工知能)ベンチャーで、SaaS(クラウドサービス)型のデジタルマーケティングツールを提供しており、実績ある研究者を多く抱え、革新的AI企業として数々の表彰を受けています。

2021年12月期連結業績は、売上収益が前期比37.2%増の123.06億円、営業損失が11.54億円(前期は15.78億円)となる見通しで、まだ赤字ではありますが21年7-9月には利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)段階で初めて黒字化を達成しました。

また、既存顧客の利用量増加が大きく、顧客企業数も順調に増えており、通期の売上収益は上場時予想109.43億円から上方修正されています。

株価は伸び悩んでいますが、上場前株主の持ち株売却という需給要因も大きそうです。

上場後1年ほどかけて上場前株主の売却制限が段階的に解除されるため、まだこれら株主の売りが続く可能性はありますが、成長性に対する市場評価は高いため、上場前株主の売りが一巡した後の見直しに期待したいですね。

 

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まとめ

ここまでIPO投資の魅力や方法、注意点について解説しましたが、これまで「難しそう」というイメージからなかなか踏み出せなかった方にも興味を持って頂けたなら幸いです。

この記事の要点

・IPO(新規株式公開)とは、非上場企業の公開株株式を市場を通じ誰でも売買可能になることで、公開株の初値パフォーマンスに注目が集まっている

当選確率を少しでも引き上げたければ、販売される公開株が多い主幹事証券会社で購入希望を申告するとよく、

・SBI証券やマネックス証券などはIPO投資で独自の取り組みを行っている

・2021年は100社以上が新規に上場しており、新型コロナウイルスの流行などの不透明感があるものの、上場意欲は強い

・2021年上場の注目企業はビジョナルとAppier Group

・IPO投資に対する情報収集を行うなら、FISCOのIPOナビスタンダード

当WEBページでは、個人投資家の資産運用や株式投資に役立つ情報を今後も定期的に発信していく予定です。

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