【やばい?】楽天グループの株価は今後どうなる?予想・見通しを徹底解説

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2023年6月末、楽天グループの株価が急変動し、2009年以来の安値を記録しました。

幅広い事業展開を見せる国内大手企業の大幅下落から、その要因や買い時が気になる方も多いのではないでしょうか。

結論、楽天グループは資金調達による株数増加を嫌った投資家により、大きな売り圧を招きました。

しかし、2024年に入ると脅威的な回復を見せています。

この記事では株価変動要因をメインに、楽天グループの価格動向や今後の予想について解説します。

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目次

楽天グループの株価が変動した要因

楽天グループの株価は昨年より継続していたレンジ相場を下に抜け、大きな下落を見せました。

以下は、楽天グループの直近1年の株価チャートです。

楽天グループの株価が変動した要因
引用:TradingView

株価は一気に500円を下回り、6月の末には2009年3月以来となる400円台の安値をつけました。

では、この大幅な価格下落の背景には何があったのかを見ていきましょう。

公募増資の発表が大きく影響

今回の株価急変動の大きな要因は、大規模な公募増資が影響しています。

楽天グループは5/16、社債返還や楽天モバイルへの投資資金として、3320億円規模の資金調達実施を発表。

国内では募集2億3405万1000株、海外では募集2億3405万1100株の公募増資を計画し、今回新たに発行される株数は発行済み株数の34.3%の水準となると発表されました。

その結果、株数の大幅な増加を嫌った投資家による売り圧が発生し、5/17に楽天グループの株価が急変動。

一時は625円まで下落し、6/21にはついに500円台を切る形となりました。

その後も株価は下げ止まることなく、2023年6/28には2009年3月以来となる466円の安値を記録しています。

楽天モバイルの資金繰りも影響

子会社となる楽天モバイルは、2023年第1四半期にて1027億円の営業損失、純損益826億円の赤字を計上。

損失が他の事業の足を引っ張る形となり、楽天グループの株価下落を後押しする要因となっています。

日本郵政が特別損失を計上

楽天グループの株価下落により、日本郵政は第1四半期において850億円の特別損失の計上を発表しました。

日本郵政は2021年3月に楽天グループからの第三者割当増資に応じる形で、約1500億円もの巨額融資を行っています。

この資金提供によって日本郵政は、楽天グループの5番目に当たる大株主となりました。

しかし、その後は株価が思うように伸びていかず、株式取得時の50%以下にまで下落を見せています。

結果的に評価損計上が濃厚となり、「日本郵政が楽天グループを見限るのでは?」といった憶測が飛び交いました。

来年の通期予想は据え置きへ

特別損失は計上されるものの、日本郵政は楽天グループの来年3月末の通期予想を据え置く姿勢を見せています。

楽天グループの人材・ノウハウへの期待から、今後も提携関係を維持していくことを発表しました。

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【2024年5月最新】5期連続赤字でも株価は急騰

2023年に大幅な下落を経験した楽天グループですが、2024年現在の価格動向を見てみましょう。

引用:TradingView

業績は依然として悪化水準が続いていますが、2024年5月現在にかけては株価が上昇過程にある事が分かります。

特に2024年2月の上昇幅はとても大きいです。

2024年2月14日には、2023年12月期決算の発表がありました。

2023年12月期決算
売上高→前々期比7.8%増の2兆0713億1500万円
営業損益→2128億5700万円の赤字

5期連続での赤字となりましたが、市場の反応は株価の買いという逆行現象が起きている状況です。

サプライズこそなかったものの、懸念されていたモバイル事業で明るい兆しが見えた事が要因と考えられます。

2024年の黒字転換は難しいとされながらも、足もとの業績が徐々に改善されている事が好材料と捉えられた形です。

楽天銀行は最高値を更新

楽天銀行は最高値を更新
引用:TradingView

楽天グループの傘下にある楽天銀行の株価動向を見ると、2024年2月に急騰し最高値を更新しています。

楽天グループの決算による明るい兆しが後押しした形ですが、2024年2月22日に導入を発表した株主優待制度が大きく影響していると言えるでしょう。

楽天銀行の新しい株主優待制度
3月末時点で100株(1単元)以上保有した株主を対象に、定期預金などの預金口座や住宅ローンに対して、優遇金利の適用やキャッシュバックを行う。

株主優待は選択制ではなく、対象株主は全ての優待を利用できるというプランです。

楽天銀行への投資層拡大や、中長期的な投資をしてもらう事を目的としていますが、今回の上昇で市場からは好感を得られたと考えられます。

今後の楽天グループ株の動向にも影響を与える可能性があるので注目していきましょう。

楽天グループの株価情報

企業名楽天グループ
業種サービス業
株価(執筆時点)795円
株価収益率(PER)
株価純資産倍率(PBR)2.32倍
配当利回り
時価総額(執筆時点)1,939,410百万円
公式サイト楽天グループ公式サイト

楽天グループはインターネット関連サービスを提供する国内大手企業です。

国内のみならず、30の国や地域にも拠点を持っており、サービス利用者は全世界で16億人を超えています。

グループが展開する事業はインターネットサービスのほか、以下のとおり多岐に渡ります。

楽天グループが展開する事業例
  • Eコマース:楽天市場
  • トラベル:楽天トラベル
  • フィンテック:楽天証券・楽天銀行・楽天カード
  • 携帯キャリア:楽天モバイル

特に私たちに馴染み深いのは豊富な商品を取り扱い、お手軽に買い物ができる「楽天市場」でしょう。

国内トップクラスのECモールである楽天市場は、1億1500万人を超える会員数を誇っています。

2023年には大幅な赤字による株価の業績を招きましたが直近の業績は、売上高が伸びており全体的に赤字が縮小しつつある状況です。

楽天グループの2023年第6月期の決算

2023年第12月期の決算では、純損益が3394億円の赤字(前期は3772億円の赤字)となっています。

携帯事業の調整後営業損益は3375億円の赤字と(前期4792億円の赤字)とマイナス分が徐々に縮小しています。

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楽天グループの株価の価格動向・推移

楽天グループは今回に限らず、過去にも大きな価格変動を見せています。

ここでは長期的・短期的に分けて、楽天グループのこれまでの価格動向・推移をチェックしていきましょう。

楽天グループの株価の価格動向・推移
  • 中長期的な価格動向(2017年〜)
  • 短期的な価格動向(2022年〜)

中長期的な価格動向(2017年〜)

引用:TradingView

上記のチャートは、2017年から2023年の6年間の価格推移を表しています。

チャートを見てもわかるとおり、各年で大きく価格変動を繰り返している状況です。

2017年では4月の終わり頃まで1100円台で推移していた価格が、同年5月には一気に1400円台まで高騰しています。

5/11に発表された売上・収益が予測値を上回ったことにより、株価上昇が後押しされる形となりました。

2017年8月から2018年にかけては価格を大きく下落させていますが、2019年2月より価格が反発しています。

2019年2月頃の価格反発要因

楽天グループが出資する米ライドシェア「リフト」がNASDAQ上場計画の発表、さらに楽天グループの5G分野へコミットする姿勢が投資家からの期待度を高めた結果、株価上昇につながったと思われます。

また、2021年は前年から900〜1200円台で推移していた価格が、一時的に1545円にまで到達しています。

日本郵政による楽天グループへの巨額投資により、同年3/13には前日比+24.10%の大幅な続伸を記録しました。

短期的な価格動向(2022年〜)

短期的な価格動向(2022年〜)
引用:TradingView

上記は2022年から2024年現在の短期的なチャートです。

2022年は前年から続く株価下落が抑えられない状況となっており、年初に1220円台であった株価は2023年10/30時点で585円と50%以上の下落を見せていました。

2022年5月に発表されたEPSは-68.94%のネガティブサプライズとなり、予測値と実数値との乖離がさらに株価下落の勢いに拍車をかける形となりました。

その後は1年ほどレンジ相場が続き、株価は600〜700円の間を上下しながら推移を続けています。

730円付近がレジスタンスラインとなって株価上昇が抑えられる中、2023年5月の公募増資による株数増加が発表。

投資家からの大きな売り圧を招き、2009年来の過去最低安値となる466円を記録しています。

現在は回復傾向にあり700円台まで価格を戻しました。

なお、IG証券では売りから入ることができるCFD取引で、今回のような下落相場でも大きな利益が見込めます。

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楽天グループの株価の今後の予想・見通し

ここでは今後の株価を予想する際のポイントや、見通しについて解説していきます。

楽天グループの株価の今後の予想・見通し
  • 社債型種類株を発行準備
  • モバイル事業の業績回復
  • 楽天経済圏のユーザー確保
  • 高配当利回りの実現

社債型種類株を発行準備

楽天グループでは、社債型種類株を発行準備していると発表しています。

社債型種類株
社債に類似した商品性を持つ種類株式。普通株式に係るROEやEPS等への影響に配慮しつつ、健全な財務基盤を確保できる。

楽天グループは、2024年~2025年に多額の社債償還を抱えており、資金の確保に追われている状況です。

具体的な発行数は未定ですが、上限は7500万株とされており、東証プライムへの上場申請を予定しています。

楽天グループでは、2024年~2025年までに約7030億円の社債償還を迎えますが、既に2024年2月には約2700億円のドル建て社債を発行しています。

資金繰りについて不安視されていた楽天グループの懸念も、一旦は落ち着きを見せるとの見通しです。

モバイル事業の業績回復

現在赤字が続いているモバイル事業の回復が、今後の楽天グループ株に大きく影響するでしょう。

以下の図は、楽天グループ全体の売上収益における各セグメントの比率(2023年第4四半期)です。

売上比率
引用:楽天グループ

上記のとおり、インターネットサービスが54.26%、フィンテックセグメントが30.11%となっており、双方の割合だけですでに8割ほどの売上収益を実現しています。

一方モバイルは15.63%と、他のセグメントよりも収益が劣っているのが現状です。

さらに、セグメント別の業績ではインターネットサービスが4.4〜7.1%、フィンテックが12.4〜15.9%と高い営業利益率を出している中、モバイルは-99%〜-172.7%と、営業利益は年間を通して赤字となっています。

モバイルセグメント
引用:楽天グループ

モバイルセグメントのマイナス利益がかなり大きく、他のセグメントの黒字でカバーできていない状況です。

一方で、これまで基地局の設置による設備投資は、2024年がピークとなる見込みです。

すでに人工カバー率が98%に到達しており、通信環境はかなり整備された状況といえます。

設備投資額がこれから減少し、利益率が上昇すれば株価にとってプラスに働く期待ができるでしょう。

楽天経済圏のユーザー確保

楽天経済圏の拡大が、楽天グループの株価にとってプラスに働く可能性も考えられます。

楽天経済圏とは?

生活の様々なシーンで楽天グループを利用し、ポイントを効率よく使用・運用して生活を豊かにするサイクルのこと。

事実、楽天経済圏はすでに多くのユーザーを抱え込み、今後のさらなる拡大が期待されています。

2MMD研究所が約28,000人に実施した意識調査によると、「最も意識している経済圏」の問いに対して、楽天経済圏と答えた割合は全体の48.5%との回答がありました。

楽天経済圏のユーザー確保
引用:MMD研究所

すでに楽天経済圏の月間ユーザー数は3900万人を超えており、相当な規模にまで成長しているといえます。

しかし、上記の調査結果からも分かるとおり、今後も楽天経済圏に新規参入する人が増える可能性があり、まだまだ成長の余力を残していることは事実です。

新規参入者はそのまま楽天モバイルの利用者に置き換わることも考えられるため、今後楽天モバイルの赤字脱却につながり、楽天グループ全体の評価や株価上昇につながる可能性にも期待できます。

高配当利回りの実現

楽天グループが今後、高配当利回りを実現できるかもカギになるでしょう。

楽天グループは現在23年ぶりに無配に転落している状況です。

企業配当利回り(執筆時点)
楽天グループ
ソフトバンク0.50%
KDDI(au)304%
Zホールディングス(PayPay)1.51%

個人投資家を中心に、インカムゲインに期待して出資している方も多いため、配当利回りが低い銘柄には魅力を感じません。

今後楽天モバイルの赤字回復が実現し、さらにグループ全体の業績がアップしていけば、配当利回りが向上して投資家の数が増え、株価が上昇する可能性もあるといえるでしょう。

また、配当に加え株主優待での魅力を打ち出せるかも重要になってきそうです。

現に、グループ企業である楽天銀行では、株主に定期預金金利優遇などの配当を2024年2月に発表した事で株価が上昇しています。

楽天グループの株価に関するQ&A

ここでは、楽天グループに関するよくある質問について回答します。

楽天グループの株価に関するQ&A
  • 楽天グループの株主優待の内容は?
  • 楽天グループの配当はいつ実施していますか?
  • 楽天グループの株価チェックはどこでするべき?
楽天グループの株主優待の内容は?

楽天グループの株主優待内容は、以下のとおりです。

楽天グループの株主優待
  • 保有株数・期間に応じた楽天キャッシュの付与
  • NBA Rakutenの3ヶ月無料パスの配布
  • 楽天ミュージック・楽天カード/モバイル会員対象プランが90日間無料
  • 楽天マガジンの利用が90日間無料
  • お買いものパンダグッズ抽選

特に楽天キャッシュは最大2,500円相当の電子マネーを獲得できるため、かなり実用的といえます。

しかし、上記の優待を受けるには100株(1単元)以上保有する必要がある点に注意してください。

楽天グループの配当はいつ実施していますか?

楽天グループは年1回の配当を実施しています。

12月末を基準として、翌年の3月末から株主への支払いを始める流れです。

配当に関しての詳細は、楽天グループ公式サイトからチェックしてみてください。

楽天グループの株価チェックはどこでするべき?

楽天グループの株価をチェックするなら、TradingViewを利用しましょう。

TradingViewとは、無料で利用可能な高機能チャート分析ツールです。

TradingViewをおすすめする理由
  • 機能性の高いチャート分析ツールや描画ツールを搭載
  • 豊富な銘柄を1つの画面でチェックできる
  • クラウド型なので複数デバイス間で同期できる
  • 配当・決算情報をチャート上に表示できる
  • チャートと合わせて詳細な財務データをチェックできる

国内の証券会社でも独自のチャートツールを用意していますが、TradingViewは証券会社のツールに負けず劣らずの機能性を誇ります。

無料版は一部制限がありますが、ぜひ楽天グループの投資の際に役立ててみてください。

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さらに、売りからエントリーすることも可能で、今回のような下落局面でも利益を上げることができます。

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楽天グループの株価まとめ

楽天グループの株価変動要因や今後の予想について解説しました。

今回の内容をまとめると、以下のとおりです。

この記事のまとめ
  • 楽天グループの株価が急変動した要因は、大規模な公募増資による株式増加
  • モバイル事業の赤字をフォローできない点も、株価下落に影響している
  • 株価下落によって日本郵政が850億円の特別損失を計上している
  • 2024年2月に発表された2023年12月期決算により徐々に回復傾向
  • モバイル事業の財政回復や楽天経済圏の拡大が株価に影響する可能性がある
  • これから楽天グループに投資するならIG証券を利用しよう

楽天グループの株価は大きく下落を見せましたが、直近で反発を見せています。

今後グループ全体にとってプラスのニュースが続けば、さらに株価が上昇する可能性も考えられます。

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