仮想通貨EOS(イオス)とは?特徴と今後の予想・見通しを紹介
EOS(イオス)は2017年6月から2018年6月の1年に渡りICO(新しい仮想通貨のプレセール)をおこない、ICO史上最高額となる40億ドル(約4400億円)もの資金を調達したことで一時話題となりました。
そして、2018年は時価総額ランキングトップ5以内にランクインしていました。
しかし、昨今その名を聞く機会が減少しており、最近になって仮想通貨に関心を持った人の中にはEOSのことをよく知らない方もおられるかと思います。
そこで今回はEOSについて、特徴など基礎的な部分からこれまでの価格推移や今後の見通し、購入できる取引所などを解説していきます。
- EOSとはどんな仮想通貨なのか
- EOSの価格推移と今後の見通し
- EOSは買うべきか?EOS購入にデメリットやリスクはあるのか?
- アルトコインを取引するなら国内取引所「コインチェック」が最適
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仮想通貨のEOS(イオス)とは?
通貨(トークン)名 | EOS(イオス) |
ティッカーシンボル・単位 | EOS |
現在の価格(2023年10月時点) | ¥79.79 |
時価総額(2023年10月時点) | ¥88,218,955,611 |
時価総額ランキング(2023年10月時点) | 56位 |
公式サイト | EOSの公式サイト |
EOS(イオス)は、Dapps(分散型アプリケーション)開発のインフラにもなっている仮想通貨です。
ブロックチェーン開発・Dapps開発で覇権を握っているイーサリアムと近い性能を持ち、かつイーサリアムよりも優れた点もあるため「イーサリアムキラー」と呼ばれることもあります。
また、機能的なアプリを素早く構築したい開発者を支援するためのツールや、色々な教育リソースなども提供されている点も大きな特徴となっています。
なおEOSは2023年6月現在、国内の仮想通貨取引所での取り扱いはありません。
EOS(イオス)の特徴
EOSには次のような特徴があります。
- トランザクション処理が速い
- 取引手数料が無料
- コンセンサスアルゴリズムにDPoSを採用している
トランザクション処理が速い
トランザクションとは「仮想通貨データの取引」のことですが、EOSは他の仮想通貨と比べてその処理速度が非常に速いです。
例えば、ビットコインのトランザクション処理速度は6件/秒、イーサリアムは15件/秒だと言われています。
それに対してEOSの場合は、1,000,000件以上/秒と圧倒的な数字を誇ります。
取引手数料が無料
ビットコインなどの多くの仮想通貨では、ブロックチェーンでの取引に手数料がかかります。
しかしEOSの場合は、取引手数料がかかりません。
多くの仮想通貨では取引手数料を取って、それをマイニング報酬に割り当てています。
それに対してEOSでは、マイニング報酬は運営側が保有しているトークンから支払われるため、ユーザーが手数料を払うことによって負担しなくていいようになっています。
コンセンサスアルゴリズムにDPoSを採用している
コンセンサスアルゴリズムとは、中央管理者がいないブロックチェーンにおいて、マイニングをおこなう場合などの合意形成を可能にする仕組みのことです。
このアルゴリズムには多くの種類があり、代表的なものに、
- PoW(Proof of Work)
- PoS(Proof of Stake)
- PoI(Proof of Importance)
- PoC(Proof of Consensus)
があります。
EoSに採用されているDPoS(Delegated Proof of Stake)は、これらの内のPoSの一種です。
まずPoSは、一定以上の通貨を保有しているものにブロックを新規生成する権利が与えられます。
また、PoSは「多くの通貨を保有しているものは、不正を働いたりしてわざわざシステムの信用を落とすような行為はしないだろう」という考えの元に成り立っています。
しかし一方で、資金力のある者ほど得をする仕組みであり、富の偏りができるというデメリットもあります。
そこで、そのデメリットを解消するために考えられたのがDPoS(Delegated Proof of Stake)です。
DPoSでは、通貨(EOS)を保有しているユーザーに対して保有量に応じて投票権が与えられ、投票によってブロックを生成できる者が選出されます。
投票をおこなうことによってより多くのユーザーが関与することができ、さらに合意形成に必要な処理を抑えて、高速なトランザクション処理を実現しています。
また、EOSはこれらの優れた特徴を持つことから、公開当初は「ブロックチェーン開発の王様」と呼ばれるイーサリアムに取って代わる存在になるのではないかと期待されました。
EOS(イオス)のこれまでの価格推移
上の画像は、2019年6月から2023年10月までのEOS/USDチャートです。
これまでの価格推移の中で、特に注目すべきポイントは次の3つです。
- 仮想通貨バブルに乗じて高騰、バブル崩壊で急落
- ICOの実施、独自のプラットフォームへの移行に対する期待から高騰
- ICOで集めた資金の使い道に対する悪い噂が立って急落
- 仮想通貨バブルに乗じて高騰、バブル崩壊で急落
2017年後半からいわゆる「仮想通貨バブル」が起こり、EOSもご多分に漏れず高騰。
しかしその後、バブルが崩壊したことによって急落しています。
- ICOの実施、独自のプラットフォームへの移行に対する期待から高騰
バブル崩壊で急落したところまでは他の多くの仮想通貨と共通していますが、EOSの特異な点はそののち短期間でふたたび急騰し、バブル時の高値をすぐに更新して見せたことです。
EOSはもともとイーサリアムの規格(ERC20)でつくられたトークンだったのですが、2017年6月から2018年6月の1年にわたってICOをおこない、ICO完了とともにEOS独自のブロックチェーンに移行しています。
ICOの際は大々的に宣伝がおこなわれて注目が集まり、バブル崩壊で下落していたEOSの価格はふたたび急騰。
2018年は一時、時価総額ランキングトップ5以内にも入っていました。
なお、ICOで調達した資金は約40億ドル(4400億円)と、ICOの史上最高額となりました。
- ICOで集めた資金の使い道に対する悪い噂が立って急落
バブル崩壊の急落を短期間で脱して高騰したEOSでしたが、チャートを見ればわかるとおり、再び急落しています。
その後は現在にいたるまで、2018年の価格水準まで戻すことはできていません。
なお、2018年5月以降に再び急落してしまった要因、急落したのちに持ち直すことができなかった要因は、次のように言われています。
- ICOで集めた資金を、EOSの開発以外に使ったのでは?と噂された
- 不正にICOをおこなっていたことが発覚した
- ICOで集めた資金をEOS開発以外に使ったのでは?と噂された
EOSはICOによって、ICO史上最高額の40億ドル(約4400億円)もの資金を調達しましたが、「ブロックチェーンや仮想通貨の開発に、本当にそれほどの多額の資金が必要なのか?」と疑いの目を向ける人もいました。
そういった中で、ICOで得た資金を別の通貨USDT(テザー)の米ドル準備金残高に流用したのではないか?との噂が流れました。
EOSとUSDT(テザー)は別の企業が発行・運営しているものの、その創始者は同一人物です。
テザー社はEOSのICOが完了したのと同じタイミングで米法律事務所による監査レポートを発表し、2018年6月1日時点でテザー社の銀行口座に約2900億円分もの米ドルが預金されていることが発覚。
真偽は定かではありませんが、タイミングと金額からその資金がEOSのICOによるものではないかと疑念を持たれたのです。
- 不正にICOをおこなっていたことが発覚した
2019年に入ってEOSはICOを実施する際、米国証券法に基づく登録をおこなわずに、不正にICOをおこなっていたことが発覚しました。
なお米国証券取引委員会(SEC)は、EOSの開発元であるBlock.one社に2400万ドル(約26億円)の罰金を課し、Block.one社がそれに応じたことで一応の和解にいたっています。
ただ、これらの行為はEOSに投資した投資家の目線で見れば裏切りに等しく、信用を損なってしまったEOSは価格を下げていき、現在も再浮上することができていません。
まずは、初心者の方は日本国内で取り扱いが認められている通貨へ取引すると良いでしょう。
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EOS(イオス)のネガティブなニュース
EOSの不祥事やネガティブなニュースは、ICO関連にとどまりません。
これまでに、他にも次のようなことが報じられました。
- EOSのDappsへのハッキング被害が多発した
- 中国のポンジスキーム「PlusToken」が多額のEOSを動かしていた
- EOSを購入した投資家がEOSの開発元Block.one社を集団で訴えた
- EOSの専用ウォレットで出口詐欺が起こった
- EOSのDeFiで出口詐欺が起こった
- DPoSにおけるマイニング権利保有者が中国人による寡占傾向にある
- 創始者のひとりがEOSの開発元Block.one社を退社した
EOSのDappsへのハッキング被害が多発した
2020年にVPNプロバイダーのアトラスVPNは、2009年以降のハッキング被害数においてEOSベースのDappsを標的としたハッキングが侵害数の面で最も成功していると発表しました。
特に2018年はメディアでEOSのハッキング被害が度々報じられて、EOSはその安全性を疑問視されるようになりました。
中国のポンジスキーム「PlusToken」が多額のEOSを動かしていた
2020年6月、中国のポンジスキームウォレット「PlusToken」から、多額のEOSが未知のアドレスへ送金されたと報じられました。
ポンジスキームとは、「出資金を運用し、その利益を出資者に還元する」と喧伝しながら、実際には資金運用の実態はなく、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、それより前の出資者に配当金と偽って渡す詐欺のことです。
「ネズミ講」とも呼ばれます。
なお、PlusTokenの運営者は2020年7月にすでに逮捕されており、逮捕者100人以上、被害者200万人、推定被害額は30億ドル(約3140億円)にも上ると言われています。
EOSを購入した投資家がEOSの開発元Block.one社を集団で訴えた
2020年4月、EOSの開発元Block.one社はEOSを購入した投資家から、
- 米国証券法に違反した状態でICOを実施したこと
- EOSに関連した誇大広告により、投資家の誤解を招くような情報を与えたこと
これらによって多大な不利益を被ったという主張により、集団訴訟されました。
EOSの専用ウォレットで出口詐欺が起こった
2020年4月、「EOS Ecosystem」というEOS専用ウォレットが突如閉鎖し、ウォレット運営者が5200万ドル(約55億円)相当の資金を持ち逃げした(出口詐欺と言う)可能性があると報じられました。
またEOSはこれ以外にも2018年以降、EOSCUBE、EOSFIN、EOS Voteなど他の関連アプリでも詐欺行為による摘発がおこなわれています。
EOSのDeFiで出口詐欺が起こった
2020年9月、EOS上のDeFiプロジェクト「Emerald Mine(EMD)」において、預け入れらているユーザーの仮想通貨が未知のアカウントに移動されたことが発覚しました。
その時の被害額は約250万ドル(約2億6000万円)にのぼると言われています。
DPoSにおけるマイニング権利保有者が中国人による寡占傾向にある
EOSはコインセンサスアルゴリズムにDPoSを採用しています。
DPoSが本来の狙い通り活かされているのであれば、多くのEOS保有者がブロック生成に関与できるはずです。
しかし、EOSの大口保有者の大半は中国人です。
そのため、中国人同士の相互投票や投票の買取などが頻発し、現実には一部の中国人による寡占状態となっていると見られています。
創始者のひとりがEOSの開発元Block.one社を退社した
2020年12月、EOSの創始者の一人であり、「天才エンジニア」としても知られているダニエル・ラリマー氏が、EOSの開発元Block.one社を退社し、EOSは大きな痛手を受けました。
このようにICO時には注目を集めて、多額の資金調達に成功したEOSでしたが、ICOでの不正が発覚しただけでなく、ハッキングを受けたり度重なる詐欺事件に利用されたりしたことなどから、EOSに対する信用は決して高いとは言えない状態となっています。
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EOS(イオス)の現在の評価
上の画像は、2017年8月から2023年9月までのEOS、ビットコイン、イーサリアムの対USDチャートを並べたものです。
一番上の青線がEOS、中段の赤線がビットコイン、一番下の緑線がイーサリアムです。
ここで注目してもらいたいのは、2020年後半以降の値動きです。
2020年後半以降、仮想通貨全体で投資熱が増大しており、主要な仮想通貨は軒並み高騰しています。
ビットコインやイーサリアムにおいても、2017~2018年始めに起きた仮想通貨バブルでの高値を更新し、さらに高騰し続けています。
一方でEOSはわずかに伸びてはいるものの、他の主要な仮想通貨の高騰具合にはまったく及ばず、仮想通貨バブル時の高値にも届く気配が今のところありません。
また時価総額が比較的高い仮想通貨の内、この強気相場の中で伸び悩んでいるのはEOSと、違法な資金調達によって米国証券取引委員会に提訴されているリップルぐらいなものです。
それだけEOSは現状、仮想通貨市場からの信用が薄いと言えます。
そして、2023年4月現在では約1.211ドルで取引されています。
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EOS(イオス)の今後の見通し/EOSは買うべき?
ここまで解説したとおり、EOSは
- 過去に不祥事やネガティブなニュースが多数あり、市場からの信用が薄い
- 2020年後半からの強気相場の中でも、あまり伸びていない
といった状況です。
またICO時は、Dapps開発の分野でイーサリアムに取って代わるのではないかとも目されていましたが、自らその地位を落としたことで今のところ期待されたような状況にはなっていません。
それどころかポルカドットやコスモスなど、後から生まれたブロックチェーンプラットフォームに立場を奪われつつあり、それらについては時価総額ですでに追い抜かれています。
これらのことからEOSの今後の見通しはお世辞にも明るいとは言い難いです。
まずは、コインチェックで取り扱いしている通貨で取引すると良いでしょう。
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EOS(イオス)を購入できる取引所
EOSは2023年4月現在、国内取引所での取り扱いはなく、次にあげるような海外取引所でのみ取り扱われています。
- Binance
- OKEx
- HBTC
- Coinbace
- Kraken など
なお、EOSは今後も国内取引所で取り扱われる可能性は低いと見られています。
国内の仮想通貨取引所はすべて、日本の法律に則り、金融庁の事業者登録を受けて営業しています。
また、そこで取り扱われる仮想通貨はいずれもリスク検証がおこなわれています。
そのため国内取引所は、扱う仮想通貨の数が海外取引所と比較するとかなり少ない反面、安心して投資できるというメリットがあります。
そういった中でEOSの場合は、
- 過去に不正にICOを実施している
- ハッキング被害を何度も受けている
- 詐欺行為に何度も利用されている
といったことから、リスク検証をクリアして国内取引所で取り扱われるようになる可能性は非常に低いと言えるでしょう。
アルトコイン投資をするならコインチェック
名称 | CoinCheck(コインチェック) |
公式サイト | CoinCheck(コインチェック)公式サイト |
取扱通貨数 | 27通貨 |
最低取引額 | 500円 |
提供サービス | 仮想通貨販売所 仮想通貨取引所 CoinCheckつみたて 貸仮想通貨サービス |
関連記事 | コインチェックの評判・口コミ |
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EOS(イオス)の今後の予想・見通しまとめ
今回は仮想通貨EOSについて、解説しました。
- EOSはDapps開発に長けたプラットフォーム
- 2017年のICO時は高い注目を集めたが、2021年現在は低迷している
- EOSは、EOS自体にも取り巻く環境にも不祥事や疑惑が多く、購入は推奨しない
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EOSは2017年から2018年にかけて実施したICO時に、その性能から高い注目が集まり、40億ドルもの資金調達に成功しました。
しかしその後、あまりに大きすぎる資金の使い道について疑念を持たれ、さらには不正にICOをおこなっていたことが発覚。
その後、EOSに関連した詐欺事件やハッキング被害なども多発し、市場からの信用を失っていきました。
また市場からの信用も回復したとは言いがたく、そういったことからEOSへの投資はあまり推奨できません。
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