FUELHASH社長インタビュー|再生可能エネルギーを活用したマイニングとは

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マイニングはブロックチェーン上の取引データを 検証・承認する作業のことで、対価として新規発行された仮想通貨を獲得することができます。

しかし、マイニングには大量の電力が必要となるため、環境負荷が懸念されています。

そんな中、株式会社FUELHASHは再生可能エネルギーを活用してマイニングを行っており、その新しいビジネスモデルに多くの注目が集まっています。

そこで今回InvestNaviでは、話題の株式会社FUELHASHの紺野勝弥代表取締役にインタビューをして、マイニングの今後やクラウドマイニングの仕組みなどについてお伺いさせていただきました。

マイニングやビットコインへの思いなどもお聞きすることができたので、ぜひ最後までご覧ください。

本日の話し手
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株式会社FUELHASH 代表取締役CEO 紺野勝弥

ソフトバンクグループで約8年間M&Aや資金調達などベンチャーキャピタル業務に従事。2016年に暗号資産取引所QuoineへCFOとしてジョインし、その後代表取締役となりユニコーン企業へと成長させた。2019年マイニング事業を行うBITFURY社の日本代表に就任。再生可能エネルギーを活用したビットコイン・マイニング事業への可能性を感じ、2021年3月に株式会社FUELHASH設立。

株式会社FUELHASH:https://fuel-hash.com
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インタビュアー

Invest Navi by Fisco 編集部

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目次

マイニング事業について

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事業内容を教えてください。

再生可能エネルギーを活用したマイニング事業を行なっています。

現在は海外でビットコインのマイニングを行なっていますが、まもなくイーサリアム、それからアルトコインのマイニングも追って開始していく予定です。

海外では再生可能エネルギーを使ったマイニングは主流ですか?

いえ、まだまだだと思います。

例えばアメリカでは天然ガスなどが多く、カザフスタンなどは石炭が主流なので、世界的にも再生可能エネルギーを使ったマイニングは一般的ではないと思います。

ご自身がマイニングに注目した理由は?

2016年にQuoine株式会社に入り、「マイニング」という単語は知っていましたが、事業として行なっていたわけではなかったため、深くは知らなかったです。

2019年にBITFURY社に入った時にマイニングの事業構造が理解できて、ちゃんと運用すると安定的に収益が得られるマイニングは、良い投資案件になると思うようになりました。

実際に日本でも富裕層の方を中心に販売することができたので、このビジネス機会を逃すのがもったいないと感じ、去年の3月に会社を立ち上げて、マイニング事業を始めました。

デジタル通貨の流れは今後逆流することはないので、未来永劫とまではいかなくても、長く発展させていくためにサステナブルな形でできるのが一番良いと思っています。

その上で、ビットコインのマイニングのメカニズムは変えられないので、「再生可能エネルギー」という環境に負荷のない形でやっていきたいと考えました。

再生可能エネルギーを使ったマイニングは海外では注目され始めていますが、日本ではまだ前例がないですよね?

そうですね。

海外では、米Block社(旧Square社)が「太陽光×マイニング」に500万ドルほど投資をしていたり、ビットコインを法定通貨に定めたエルサルバドルでは地熱発電で自国通貨をマイニングしていたりというケースもあります。

なので、海外では「マイニング×再生可能エネルギー」というトレンドは出てきていると思います。

クラウドマイニングについて教えてください。

これまで、マイニングに投資するためにはマシンを購入してもらう必要がありましたが、マイニングマシンは1台でも100万円以上しますし、数千万円〜数億円という大きなロットで販売しているケースがほとんどなので、それに投資ができるのは一部の富裕層だけでした。

でも、それでは裾野が広がっていかないので、クラウドマイニングに着目しました。

クラウドマイニングの場合は、マシンではなくてハッシュレート(マシンを生み出す計算力)を販売するので、分割して1万円単位などで購入ができるようになり、投資家の裾野が広がっていきます。

日本には暗号資産交換所のアカウントを持っている方が数百万人ほどいるので、カジュアルに少額で投資している方たち向けにマイニング投資ができる機会を提供できるのは面白いビジネスチャンスになりそうだと考えています。

例えば融資型クラウドファンディングが人気なのは、少額から投資ができて3〜7%程度の金利がつくからだと思います。

クラウドマイニングでも3年で元本の2倍程度のリターンは見込めると思っているので、投資機会を提供すれば「小口の投資をして利回りを得たい」という個人投資家の需要が集まるのではないかなと考えています。

現在マイニングしている地域はどのあたりですか?

今は海外でマイニングしています。

一つの国だけでマイニングすることにはリスクもあるので、今後は北米や北欧などを含めて分散してマイニングしていく予定です。

また、日本でも太陽光発電と組み合わせたマイニングを始める準備しています。

日本人でマイニング事業をやっている方は多いですか?

個人でマイニングをしている方はいると思いますが、事業としてマイニングをしている方はあまり聞かないですね。SBIさんやGMOさんなどが大きく自社でマイニング事業をやられている認識です。

場合によっては英語や中国語でのコミュニケーションが必要になるので、日本人だと難しいと感じるかもしれません。

実際に日本人向けにマイニングファンドは募集していますか?

現在当社としては日本向けのマイニングファンドは募集していませんが、今後募集する計画はあります。

またクラウドマイニングのプラットフォームをローンチする予定があるので、そちらを利用してもらえれば誰でもマイニングが始められます。

もし今からマイニングを始めたとして、その場合運用リターンは期待できますか?

正直この瞬間だけで言うと、最も高い時点と比べてマイニングの報酬が下がっているので、リターンは一時的に悪いかもしれないです。

ただ、マイニングの報酬が下がるということはディフィカルティー(採掘難易度)も下がることになり、ハッシュレートも下がります

それにより報酬としてもらえるビットコインの枚数が増えれば、価格が戻って来た時に高い収益も期待できると思います。

そもそもマイニングは一時的に見るような投資方法ではありません。

ドルコスト平均法でビットコインを購入するようなイメージで、ディフィカルティとハッシュレートと価格を見ながらマイニングでどんどん掘ってコツコツと積み上げていく、と考えてもらえればと思います。

短期間ではなく、中長期的に見れば回収できるモデルということですか?

はい。例えば3〜4年で元手を倍にするようなリターンであれば、十分可能だと思います。

再生可能エネルギーやマシンについて

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日本のマイニングは太陽光が中心となりそうですか?

現時点では太陽光が中心になりますね。

以前は、「FIT(Feed In Tariff)制度」のおかげで一般の投資家も50kW未満の低圧な太陽光発電に投資しやすかったのですが、FIT制度の認定対象外となる場合、一般の方が太陽光発電だけで採算を取るのは非常に難しくなります。

その点「太陽光発電×マイニング」であればリターンを狙えると思っています。

あとは、バイオマスや水素などを活用したマイニングも今後増えていくのではないでしょうか。

マイニングに使用するマシンはどれくらいで買い替える必要がありますか?

ASIC(エーシック)だと大体3〜4年だと思います。

マシン自体はもっと長く使えますが、ハッシュレートが高くなってチップがどんどん進化していくと、電力効率の違うマシンが生み出されるからです。

ただ、現時点でも技術は非常に進んでいる状態なので、今までに比べるとマシンの陳腐化リスクはそこまで大きくないと思います。

マイニングをしていく中で、日本の高額な電気代によって赤字になったらマシンは止める方向ですか?

その場合は止めると思います。

ただ、そうならないように日本の電気代でもまかなえる「GPU」で運用していくことを考えています。

ビットコインやクラウドマイニングの今後について

ご自身が考えるビットコインの価値や、将来的な役割や用途について教えてください。

国境関係なく、即時になめらかに価値が移転できるのは素晴らしい価値だなと思っています。

以前、自分がユーザーとしてビットコインを海外送金に使ったことがあって、土曜日の深夜1〜2時だったのにもかかわらず10〜20分程度で相手に到着したんです。

その体験から、「これはすごいイノベーションだな」と感じました。

また、エルサルバドルという国の法定通貨になるくらいのアセットクラスにまで成長している点などを考えると、長期的に安定したビジネスに活用しやすいのかなと思います。

そして長期的に安定したビジネスモデルってなんだろうと考えたときに、思いついたのがビットコインのマイニングでした。

今後の展開を考えたときに、数ある仮想通貨の中でもビットコインが主力になると思いますか?

はい。やはり当分大きな比率を持つのはビットコインだと思います。

もちろん他のトークンやプロジェクトも素晴らしいものはたくさんありますが、デジタル通貨の価値の根源を考えるのであれば、ビットコインですね。

一般の投資家がマイニングに携わるなら、やはりクラウドマイニングですか?

そうですね。

一般の投資家がマイニングを始めるとなると、日本の場合はマシンを組み立てることから始めなければならないですし、GPUを仕入れることも大変です。

それならクラウドマイニングに投資すれば、1万円程度から誰でも簡単にマイニングに携われます。

また、単純にビットコインを買う場合だと価格の上下で価値が目減りする可能性もありますが、マイニングの場合はダウンサイドのプロテクションが効くので、もし価格が落ちたとしても掘れる枚数が多くなり、将来的にアップサイドも大きくなります。

なので、ビットコインへの投資方法の一つとしてマイニングを提案していきたいと思っています。

株式会社FUELHASHについて

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現在会社の規模としてはどれくらいですか?

今は全体で15名ほどでやっています。

皆さん本業を持っていて、副業として当社に来てくれていますね。

メンバーの多くはマイニングだけでなくWeb3、NFTなどにも興味を持っています。

採用に関してもプロジェクトベースで募っていて、形態にこだわらず同じパッションを持つ仲間と仕事をしています。

日本では事業としてマイニングを行なっている企業は少ないですが、今後どうすればマイニング事業が生まれると思われますか?

セルフマイニングと言って自社のマイニング事業をおこなっている企業はありますが、そのマイニング自体をサービスとして投資家に提供する事業はほとんどないのが現状です。

その理由としては、参入障壁が非常に高いからだと思います。

電気代などのコスト面はもちろん、マシンの仕入れや運用が大変だったり、英語でのコミュニケーションが必須なので、なかなか参入できない企業が多いのではないでしょうか。

またマイニングに関する詐欺的な案件も横行しているので、その辺りのイメージを払拭できなければマイニング事業が増えていかないと思います。

ただ、参入障壁が高いからこそ、当社がマイニングのマーケットを作るチャンスだと考えています。

編集後記

今回のインタビューでは、紺野氏のマイニングやビットコインに関する思いを伺うことができました。

QuoineやBITFURYでの経験を持つ紺野氏だからこそ、まだまだ参入企業が少ないマイニング事業にいち早く目をつけることができたのではないでしょうか。

現在マイニングをする上で膨大な電力消費が大きな課題となっていますが、再生可能エネルギーを活用することでサステナブルな形で実現できるのは非常に魅力的です。

また、クラウドマイニングによって少額から気軽にマイニング投資ができるようになるので、裾野はどんどん広がっていくでしょう。

今後も株式会社FUELHASHの動向から目が離せません。

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