【2023年版】ポンド円の今後の予想・長期見通しを分かりやすく解説!

ポンド円

ポンド円は、ドル円と比較してもボラティリティ(値動き)は大きく、短期間で大きなリターンで狙える通貨ペアです。

金融危機やBREXIT決定後に下落(ポンド安)しましたが、最近はCOVIDからの経済回復で上昇トレンドにあります。

長期的に低金利政策を続けていましたが、2021年12月には利上げに踏み切ったことで今後の政策金利動向にも注目です。

このページではそんなポンド円の見通しをテーマに解説していきます。ぜひ最後まで読んで、取引の参考にしてください。

この記事をまとめると・・・
  • ポンド円は2023年1月現在上昇トレンド継続中
  • 2008年の金融危機、2016年イギリスのEU離脱決定、2020年のコロナショックで暴落
  • 2021年12月に3年4カ月ぶりの利上げ実施
  • 新首相リシ・スナク氏の手腕に期待が集まる
  • 段階的利上げの行方
  • 各社の2023年ポンド円相場展望
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目次

ポンド円の基本情報

ポンドは、イギリス(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)で発行・流通している通貨です。

為替市場ではドル・ユーロ・円に次ぐ4番目の取引量があります。

また、ポンド円の通貨ペアは、国内ではドル円に次ぐ取引量を誇ります(2022年時点)。

しかし世界全体で見ると、特にポンドドルの通貨ペアの取引量が多く、ポンド円の取引量はそこまで多いとは言えません。

そのため、ドル円やユーロ円と比較しても日々の値幅(ボラティリティ)が大きく、短期間で大きなリターンが見込める一方で、リスクも相応に大きい取引であると言えます。

同じ欧州のユーロと比較的似たような動きをしますが、産業構造として金融(銀行・証券・保険)に大きく依存していることや、北海油田からの産油国として原油価格の影響も受けることなどが特徴です。

ポンド円の現在の為替レート

2023年1月時点で、157円前後のレンジで推移しています。

ポンド円の現在の為替レート
引用元:Trading Viewの提供チャート

コロナウィルスによるロックダウンが行われた2020年5月には130円まで下落しましたが、その後はワクチン接種や経済の段階的な再開により徐々に値を戻しています。

2021年12月には新型コロナウィルスの世界的感染拡大以降で、日米欧の主要銀行としては初となる利上げを実施して更に価格を伸ばしています。

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ポンド円の過去の変動要因

ここではポンド円の為替レートが変動する要因について、過去の事例を通して解説していきます。

2008年 金融危機

金融危機直前の2007~2008年は、高金利と投資マネーの流入により、ポンド円は一時250円/£まで上昇していました。

その後、リーマンショックの発生により、2008年7月には210円だったレートが、2009年1月には120円まで暴落します。

ポンド円 金融危機
引用元:Trading Viewの提供チャート

英国の中央銀行であるBOE (Bank of England) も経済刺激のため政策金利を5.0%から0.5%まで一気に利下げしています。

なお、この政策金利は、その後0.25%程度の増減はあったものの、今日まで利上げできていません。

2009~2012年 緊縮財政と欧州債務危機

その後、リーマンショックの反動から、ポンド円は2009年8月には150円台まで値を戻しています。

しかしながら、ギリシャ、アイルランドなど、欧州各地で財政への不安が一気に高まる(欧州債務危機)と共に、

英国でも金融危機の後処理として2010年に首相に就任したキャメロン政権が大胆な緊縮財政政策をとります。

この結果として、ポンド円は再び売られ、2012年11月まで再び120円台で取引されるようになりました。

2012~2015年 アベノミクスと景気回復

2012年12月に安部内閣が組閣されると、日銀の金融緩和政策により円安が進み、相対的にポンド高となりました。

引用元:Trading Viewの提供チャート

また英国でも住宅市場や賃金の回復が見られ、BOEの利上げ期待からポンド円は2015年中ごろの190円台まで回復しました。

(ただし、結局BOEの政策金利の利上げはされず仕舞いでした)

2015~2016年 BREXIT懸念・投票・離脱決定

しかしながら、英国内でEU離脱に対する懸念が高まり、2015年6月の195円をピークに大きく下落を始めます。

引用元:Trading Viewの提供チャート

投票直前の2016年5月には150円台まで値を下げています。

その後、2016年6月にEU離脱是非を問う国民投票が実施され、離脱が決定。

このショッキングな決定により、ポンド円は再度120円台まで暴落しました。

2017~2019年 BREXIT交渉と混乱(メイ政権)

BREXIT決定後、残留派であった当時のキャメロン首相は辞任し、2016年7月にテリーザ・メイ政権が発足します。

メイ首相は国民が決定したBREXITを推し進めるため、”BREXIT means BREXIT” と強い意志を表明しました。

2017年3月末にはEUに対して離脱を宣言。離脱協定の交渉期間としてEU条約に定められる2年間がスタートしました。
(つまり、当初は2019年3月末までに交渉が終わることが期待されていました)

しかしながら、交渉の中でEU・英国の双方の歩み寄りは見られず、時間だけが過ぎていきます。

2019年3月には、交渉期間を2019年10月まで延期することを決定しています。

その後も、メイ首相がEU側とまとめた協定内容が英国議会で否決されてしまい、メイ首相は辞任を発表。

この間、ポンドは、合意なき離脱の懸念が高まると下落、合意あり離脱の見込みが高まると上昇を繰り返します。

ポンド円は130~150円のレンジで推移しました。

2019~2020年 EU離脱(ジョンソン政権)

2019年3月に交渉期間が延長された後も、交渉に進展が見られなかったことで、ポンド円は120円台まで急落します。

そんな中、2019年7月には現任でもあるジョンソン首相が就任します。

ジョンソン氏の強引ながら強力なリーダーシップのもと、2019年10月にはついに英EU間で離脱協定案に合意がなされます。
(同時に、2020年1月末まで離脱日を再延期します。)

この結果、ポンド円は膠着状態を抜けたことが評価され、140円台まで回復しています。

その後、2019年12月には英国総選挙が実施され、与党の保守党が単独過半数の議席を獲得。

BREXIT後の交渉において盤石の態勢を築いた状態で、ついに2020年1月末に英国はEUを離脱します。

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2020~2021年 COVID-19によるロックダウン・ワクチン接種・規制緩和

EU離脱を果たした2020年1月末、イギリスではCOVID-19はまだ「極東の問題」という認識でした。

しかしながら、2月下旬頃から急速に国内でも感染が広がり、3月にはロックダウンが宣言されます。

ポンド円は、安全通貨である円買いにより一気に10円ほど下落し、130円台で取引されるようになります。

その後、夏休みに一時的に規制が緩和されるとポンドも買われますが、秋に再度ロックダウンにより下落します。

転機となったのはCOVIDワクチンで、2020年末頃より開発・接種スケジュールが徐々に明らかになってきます。

特にイギリスは国内メーカーのアストラゼネカでの開発が進んでいることが明らかになると、経済再開への期待から、

ポンド円は年末には140円を回復。年明けから実際に接種が進むと、2021年6月の155円まで一本調子で上昇します。

ポンド円 コロナショック以後
引用元:Trading Viewの提供チャート

もともとイギリスでは4月から毎月段階的に規制が緩和され、6月21日には完全解除となる見込みでした。

しかしながら、いわゆる”デルタ株”の感染拡大により、規制解除は7月19日まで延期されてしまいました。

英国では、7月初旬には1日当たりの新規感染者数が2万人を超えるなど、感染が再拡大しています。

2021年12月 新型コロナの変異種問題で落ち込むも利上げの影響で上昇

2021年10月までは順調に価格を伸ばして一時158円台の高値に突入しました。

その後、10月~12月までは新型コロナの変異種問題や、感染拡大が収まらない事で経済回復の遅れが懸念され、大きな下落をしています。

しかし、2021年の12月16日には、従来の0.10%であった金利を0.25%まで引き上げたことで、ポンド円相場もV字回復を見せる事となったのです。

同行の利上げは2018年8月を最後に3年4か月ぶりで、新型コロナの世界的流行があってから主要国では初の利上げを実施しています。

また、利上げの実施が事前予想されておらず、サプライズ的な発表で話題を生みました。

2022年 円安や英中銀利上げの影響で上昇

2022年 円安や英中銀利上げの影響で上昇
引用元:Trading Viewの提供チャート

2021年後半から2022年の前半までは、特に目立ったトレンドもなくレンジ相場で推移していました。

利上げは段階的に実施されていましたが、イギリスのジョンソン首相への不信感やロシアウクライナ情勢の悪化などで、定期的にリスクオフの相場が続いた形です。

しかし、2022年3月~4月にかけては、それまで150円台を推移していた価格が一時的に168円にまで急騰しました。

外国為替に対して日本円が売られる円安が大きく影響しており、対ポンド相場でも大きな上昇となっています。

あくまでも円での影響が強い状態で、ポンドに関しては経済減速の懸念などから売り圧力が強い場面も多々見られています。

また、2022年7月には国民だけでなく政府関係者からも反発を受けていたボリス・ジョンソン首相の辞任が決定し、9月に新首相となるリズ・トラス氏が就任をしました。

引用元:Trading Viewの提供チャート

順調に上昇を決めていましたが、2022年9月16日にはトラス氏の経済対策やインフレ体質に陥った英国経済の実態に懸念が集まり、ポンドが大きく下落を決めました。

さらに2022年10月には、トラス首相が早期の辞任を発表し、新たにリシ・スナク氏が新首相に就任しています。

2023年1月現在は157円台付近にまで価格を戻している状況です。

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2023年に予想されるポンド円の変動要因

上記の通り2022年までのポンド円の動きを説明してきましたが、2023年はどう予想されるでしょうか。

ポイントは (1)経済成長率の鈍化、 (2) ジョンソン政権の行く末(3)政策金利の上昇の3つです。

(1) 経済成長率の鈍化

2023年のポンド相場は、ポンドの重要指標で大きく動くケースが多いです。

これは、イギリスの経済成長に大きな注目が集まっていることが主な要因と言えるでしょう。

2022年に発表されたIMF(国際通貨基金)の発表によると、イギリスの経済成長ペースが主要国で最も遅くなるとの見方を示しています。

2022年の経済成長率は4.4%で予想されていましたが、下半期は3.6%になると下方修正が行われている状況です。

物価上昇懸念で家計の支出が抑制されるほか、金利の上昇に伴い投資が冷え込むのではないかという懸念が多くなっています。

新型コロナのワクチン接種が多くの国民の中で完了し、経済再開が始まっている中ではありますが、移民不足による労働者の激減などは、イギリス経済にとって大きな課題です。

今後も経済指標での経済鈍化ペースが確認できるとなると、ポンドの売り圧力につながります。

(2) 新政権への期待

2022年には、ボリス・ジョンソン首相への辞任を求める声が強まっていました。

2020年に首相官邸で開かれた数々の集まりが、ジョンソン政権の打ち出した新型コロナ対策に違反していたことが明らかとなり、多くのイギリス国民から反感を買っている状況だったと言えるでしょう。

2019年の前回選挙では過半数議席をもたらすほど強い政権でありましたが、現時点では野党だけではなく与党からも辞任の声が上がっていました。

さらに、2022年6月に行われたイギリスの補欠選挙では与党が敗北をしており、国民からジョンソン政権への不満が浮き彫りとなりました。

この結果を受け与党共同幹事長の辞任が決定し、政権は一層の苦境に立たされていたのですが、ついに2022年7月にはジョンソン首相の辞任が決まったのです。

そして、2022年9月にはイギリスの新首相としてリズ・トラス氏が勝利し新たに就任しました。

しかし早くも2022年にはトラス氏が辞任しており、新たに元財務相のリシ・スナク氏が新首相として就任しています。

政策金利の上昇

イギリスは、2021年後半に新型コロナの世界的感染拡大以来、主要国で初めて利上げを実施した国です。

年月金利
2021年11月0.10%
2021年12月0.25%
2022年1月0.50%
2022年2月0.50%
2022年3月0.75%
2022年4月0.75%
2022年5月1.00%
2022年6月1.25%
2022年7月1.25%
2022年8月1.75%
2022年9月2.25%
2022年11月3.00%
2022年12月3.50%

現在に至るまで段階的な利上げを実施しており、2023年1月時点での金利は3.50%です。

利上げの実施は投資家の間で通貨に対する期待感になりますが、それは最初だけである可能性が高いです。

段階的な実施を行うことから、「利上げのサプライズ感がなくなる」または、「利上げのストップ時に注目が集まる」といった懸念があります。

2021年12月の利上げは市場予想に反するものであったことから、一時的にポンドの買いが強くなりましたが、今後は利上げによる通貨買い圧力は薄くなるのではないかという見方が多いのも現状です。

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ポンド円の今後の予想・見通し

それではマーケットの識者の見通しを紹介します。

野村證券

BoEが利上げサイクルを終了したとは考えにくい 。しかし、利上げサイクルが終了したとは考えにくい。声明文では「大多数の委員は11月 の金融政策見通しに概ね沿って経済が進展するならば、インフレ率が目標に持続的 に回帰するために追加的な利上げが必要かもしれないと判断した」と述べられた。ま た、「委員会は、見通しがより持続的なインフレ圧力を示唆する場合、必要に応じて力 強く対応すると引き続き判断した」とも述べられている。金利市場でも12月20日時点で 2月会合に向けて46bpの利上げを織り込んでいる。

野村證券, 国際金融為替マンスリー 2023年1月

※野村證券のレポートは最新月のものに更新されます。

2023年1月の対円相場では145円と予想しており、円安は続きつつもポンド安の材料は揃っていることから大きなGBPJPYで大きな伸びはないとしています。

三菱UFJ銀行

2023年のポンド相場は、英国経済が減速するなか、多くの通貨に 対して弱含んで推移すると見込んでいる。 OBRが 11 月に公表した最新の経済見通しでは、英国経済は 2022 年に前年比+4.2%の成長を記録した後、2023 年には前年比▲1.4%に 後退すると見込まれている。BOEも、最新の見通しにおいて 2023 年、 2024 年のマイナス成長を予想している。その背景として挙げられる のが、家計部門の可処分所得の減少である。英国のEU離脱に伴う供給制約の影響もあり、英国では、ロシアによるウクライナ侵攻以前から生活費の上昇が深刻となっていた。そこにウクライナ情勢の悪化も加わり、2022年4月以降、エネルギー価格の上昇によって実質可処分所得が減少し、景気の下押し要因となった。

三菱UFJ銀行, FX Monthly 2023年1月

※三菱UFJ銀行のレポートは最新月のものに更新されます。

景気後退懸念からポンド売りの警戒感があるとしています

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次に、ポンド円を取引するのに最適なFX会社を紹介します。

ポンド円取引を検討している方は、ぜひ下記を参考にしてみてください。

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スワップポイント119円(米ドル/円)
36円(ユーロ/円)
112円(ポンド/円)
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SBI FXトレード

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運営会社SBI FXトレード株式会社(SBIホールディングスグループ)
通貨ペア数34通貨ペア
スプレッド米ドル/円 0.18銭
ユーロ/円 0.48銭
ポンド/円 0.88銭
スワップポイント131円(米ドル/円)
45円(ユーロ/円)
121円(ポンド/円)
最低入金額約5円
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ポンド円の今後の予想・見通しまとめ

ポンド円の今後の見通しをまとめると以下の通りです。

ポンド円の見通し
  • コロナウィルスの規制は緩和されて、経済再開がスタートしている
  • 2023年には利上げの鈍化や景気後退懸念によるポンド売りが予想されている
  • 英国政治の不透明感がポンドの重石になる恐れ
  • ロシア・ウクライナ情勢の懸念から英国経済に悪影響を与える可能性がある

英国では、ワクチン接種が進んだことから経済再開が始まっています。

しかし、2022年2月からのロシア・ウクライナ情勢の悪化が英国経済に大きな影響を与えている状況です。

また、COVID-19によりダメージを受けた経済の回復と、それを踏まえた中央銀行の反応が焦点となります。

毎月中旬に発表される英国のインフレ率や、BOEの要人発言、金融政策決定会合(MPC)の結果は要注目です。

また、リズ・トラス首相の手腕にも期待が持たれています。

ポンド円は、ドル円やユーロ円と比べればややボラティリティの高い通貨ペアですので、上記のようなポイントについてしっかりとした情報収集の上でポンド円の取引を始めてみましょう。

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