ユーロ円の今後の予想/長期見通しを分かりやすく解説!【初心者向け】

FXの取引通貨ペアとして人気のユーロ円(EUR/JPY)

欧州のユーロと日本の円で構成された通貨ペアです。

いずれも為替の業界ではメジャー通貨に位置づけられており、初心者~上級者まで幅広い層で取引されています。

このページではそんなユーロ円の見通しをテーマに解説していきます。

ぜひ最後まで読んで、FX取引の参考にしてください。

※なお、在外金融機関にて取引されるオフショア円のこともユーロ円と称しますが、本記事では為替ペアとしてのEUR/JPYについて取り扱います。

この記事をまとめると・・・
  • ユーロ円は2022年5月現在上昇トレンド形成中
  • 2016年イギリスのEU離脱決定を受け暴落
  • ドイツ、メルケル首相長期政権の終わりに懸念
  • ECBはユーロ高をけん制している
  • 各社の2022年ユーロ円相場展望
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ユーロ円

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目次

ユーロ円の基本情報

ユーロは、欧州連合27か国のうち19か国で導入されている通貨です。

為替市場で米ドルに次ぐ2番目に取引量の多い通貨です。

しかし、為替市場ではユーロ円ペアでの取引があまりなく、ユーロドルとドル円の値で計算されています。

これをクロス通貨といい、ユーロ円の値はユーロ円(EUR/JPY)=ユーロドル(EUR/USD)×ドル円(USD/JPY)で計算されています。

ユーロ円の計算例

(例)ユーロドル1.200、ドル円105円の場合
ユーロドル1.200×ドル円105=ユーロ円126円

ユーロ円の取引をする際は、ドル円とユーロドルの動きに注目しましょう。

ユーロ円の現在の為替レート

2020年5月には新型コロナウィルスの影響を受けて、一時的に114円台まで下落をしました。

その後はユーロ買いにより、2021年6月には132円付近まで上昇しており、円売りよりもユーロ買いの力が強い状態となりました。

2022年5月20日現在は、円安が急速に進んだ影響を受け、135円前後で推移しています。

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ユーロ円のこれまでの変動要因

ユーロ円のこれまでの変動要因
引用元:Trading Viewの提供チャート

2016年6月はイギリスのEU離脱が国民投票により決定した月です。

それを受けて、2016年始値で130円台であったユーロ円が110円台まで急落(円高)する形となりました。

イギリスはEU加盟時代でも独自通貨ポンドを採用していましたが、世界的な金融センターであり、欧州大国の一角でもあるイギリスの離脱は大きな影響を与えたものだと見られます。

2017年ごろは上昇(円安)を決めていますが、これはEU経済の回復による影響が大きいです。

EU諸国は2008年以降のリーマンショック欧州債務問題により、景気の後退が懸念されていました。

その中で主要国であるドイツやフランスといった国が、輸出拡大や国内消費などを背景に景気の好転に成功しています。

その後、EU諸国での景況感には格差がありましたが、欧州債務危機からの脱却や緩和的な金融政策により、ユーロの買いが徐々に増えていった形です。

その後は世界的なCOVID-19の感染拡大を受けて安全資産の円買いが続き、2020年5月には新型コロナの影響で再びユーロ安となっています。

その後、2022年までは価格を戻して、現時点では135円台を推移しています。

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2022年に予想されるユーロ円の変動要因

続いて2022年に予想されるユーロ円の変動要因について解説します。

詳しく見ていきましょう。

ウクライナとロシアの対立

2022年2月現在、ウクライナとロシアの対立に対する報道が度々話題となっています。

かつては兄弟国と言われるほど親交の深かった両国ですが、両国ともに国境付近へ軍を派遣させるなど、緊迫した情勢が続いているのです。

ウクライナが西側の欧米諸国に接近したことをロシア側が良く思わず、長年にかけて関係悪化してきたことが要因です。

この問題はEUにとって他人事ではなく、今後の経済活動の行方を左右する大きな問題となっています。

EUを含む国際社会はロシア側のやり方に反発をしていますが、EUはロシアに資源依存をしていることから弱腰の姿勢をとっていると言われているのです。

ロシアは資源供給ストップを材料としてEUの姿勢を批判している状態であるため、今後もウクライナとロシアの対立が続くようであれば、ユーロにとっても大きな懸念となります。

PEPP終了後の追加金融政策

新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、EUではPEPP (Pandemic emergency purchase programme)という資産購入プラグラムが創設されていました。

PEPPとは
新型コロナウィルスを受けて、後退した経済を回復させるための金融政策。
パンデミック緊急資産購入プログラムを指す。

PEPPは、新型コロナウィルスによる経済停滞に対処するため、2020年3月にECBが導入したものです。

このPEPPが導入されてから、増額と買入期間の延長が続いていました。

従来は2020年末期限で7500億ユーロの予定でしたが、2020年6月のECB理事会では債券購入額を6000億増額、期間が6月末までの延長となりました。

さらに2020年12月には、5000億ユーロの増額と2022年3月までの延長が決定され、2021年3月には購入ペースの拡大がアナウンスされました。

EU諸国にはフランス・ドイツといった先進国もあれば、ギリシャ・ポルトガルのように経済が停滞している国もあります。

通常の資産購入プログラムは、各国のECBへの出資比率をもとに国別の割り当てが決められるため、ある程度公正性が保たれているのですが、PEPPの場合はそのような配分ルールが厳守されていないため、PEPPの期間延長や増額はEU加盟国での格差を増す要因となるとの懸念があるのです。

なお、ECBが2021年6月に域内20の金融機関に対して行った調査では、予定通り2022年3月にPEPPが終了するとの回答が大半でした。

しかしながら、万が一さらなる増額が打ち出されれば、ユーロに対しての不安と懸念により、ユーロ売りの進行が強くなる可能性も充分考えられます。

また、ECBによるPEPP終了後の追加金融政策については明言されておらず、新型コロナで落ち込んだ経済をどのようにして立て直していくのかが焦点となりそうです。

ドイツ時期政権展望への不安

2005年から長きにわたってドイツの首相を務めてきたメルケル氏ですが、2021年の12月で政界を引退しました。

メルケル氏は2000年より与党CDUの党首でしたが、2018年末には党首を辞任しています。

後任の選出はまとまらず難攻していましたが、2021年12月よりオーラフ・ショルツ氏が後任となって新政権が発足しています。

しかし、長きに渡って政権を担ってきたメルケル氏の退任と、手腕が未知数なショルツ氏の就任は、ドイツの情勢において懸念とする見方が多いです。

一方のイタリアでは、前ECB総裁であるドラギ氏が首相に就任したことで、EUでのイタリアの存在感が増すと言われています。

イタリアのドラギ首相とはどんな人?
2011年~2019年まで、ECB(欧州中央銀行)総裁を務めたた人物。
欧州債務危機の最悪期を脱した金融のプロとして高い評価を受けている。
2021年2月にイタリアの首相に就任。

各国の新政権への不安や期待、また打ち出した政策の内容次第では、ユーロ相場に大きな影響を与えると見られますね。

ECBによるユーロ高の懸念

ECBは、現在のユーロ水準の高さについて、たびたび懸念する声明を出しています。

それは、ユーロ高に対して以下のような懸念があるからです。

ユーロ高懸念の要因
  • 輸入品の価格下落によるデフレの加速
  • 輸出競争力の低下
  • 実体経済との乖離

注目は3つ目の実体経済との乖離です。

現在のEU諸国は、新型コロナウィルスの感染拡大や都市封鎖により経済が落ち込んでいます。

その状況でユーロが買われ続けているため、収束後には更なる上昇が予想されるのです。

極端なユーロ高になれば、輸入品の価格下落や輸出競争力の低下により、更なる経済悪化を招きかねないとの考えを示しています。

2021年2月に発表されたECBの議事要旨で為替レートで見るユーロの動向は悪影響、更なる金融刺激が必要」としてユーロ高を強くけん制しています。

今年の動きとして、ユーロ高を引き下げるための政策がECBによって打ち出されれば大きな影響を与えそうですね。

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ユーロ円の今後の見通し・予想

次に各会社が発表している、ユーロ円の見通しと展望を紹介していきます。

FX取引の戦略ではこのような情報収集が重要となってくるので、ぜひ参考にして取引をしていきましょう。

インヴァスト証券

トライオートFXを提供するインヴァスト証券の2022年ユーロ円の見通しです。

①ECBの金融正常化

ECBは、12月の会合で、2022年の金融正常化の予定を発表しました。現在「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」を、2022年3月末で終了します。一方従来から実施している「資産購入プログラム(APP)」は、2022年4-6月期に現行の200億ユーロから400億ユーロへ増額、7-9月期も月額300億ユーロ、10月以降も200億ユーロの購入を続ける予定です。今後の経済の行方次第で変更する可能性もありますが、このシナリオでは、2023年前半に資産購入が終了し、もし金利を引き上げるとしても、2023年中盤となりそうです。ラガルドECB総裁も、前回の理事会で、「ECBが2022年に利上げする可能性は非常に低い」と述べています。 一応ECBも徐々に金融の正常化に足取りを強めています。ただ、欧州では雇用の改善に停滞が見えること、米国に比べて景気がそれほど強くないことは留意しておきましょう。

②コロナ後の欧州経済とメルケル後の欧州政治

2022年は、2021年の「リベンジ消費」に反動が出るとの指摘もあります。欧州の雇用環境も、あまり強いものではありません。ユーロ圏のPMIが「50」を大きく割れていくとは思えませんが、世界的な景気回復が、特に原油や天然ガスの海外調達に依存するユーロ圏経済を圧迫する可能性も残っています。

ユーロ円-2022年相場予想と戦略(2022年1月14日公表)

2022年1月時点での想定レンジは122.66円から136.31円とされています。

近年の保合相場が続く可能性があることを前提としていますが、新型コロナの状況やECBの政策についてが焦点としています。

野村證券

野村證券は2022年1月下旬時点で、以下のように述べています。

今後はドイツの税制変更に伴うペースが剥落し、インフレ率は原則に向かう公算が大きいとは言え、ECBは当面、インフレが一過性かどうか慎重に見極める姿勢を示すだろう。実際、1月13日にデギンス副総裁がインフレ率は確実に低下するしながらも。当初の想定ほど一過性では可能性に言及している。

ECB高官は、22年中の利上げの可能性については強く否定していない。年央にかけて、来年前半の利上げ開始の織り込みが本格化、欧州金利上昇圧となる可能性があろう。

結論-EUの金融政策正常化がテーマに-

FRBのタカ派化に一巡感が出始め、為替市場の注目が米金融政策から徐々にシフトする可能性が出てきた。仮にECBのタカ派化が鮮明となれば、昨年後半に見られたドル全面高は終わる。ユーロドルの反発がより明確になろう。ユーロ円についても、年後半に向けて130円台後半に向けて上昇圧力は再燃する可能性は高い。

野村證券 – 国際金融為替マンスリー 2022年

※野村證券のレポートは自動で更新されます。

野村證券は、2022年末のEUR/JPYを137円と予測しています。

米国の金融う市場に集まっていた注目がECBに変わるとの見方や、利上げの示唆などが上昇圧力に繋がるとしています。

三菱UFJ

三菱UFJでは、2022年のユーロ相場の展望を以下のように予想しています。

スクロールできます
通貨2022年5月~6月2022年7月~9月2022年10月~12月2022年1月~3月
EUR/USD1.02~1.101.04~1.131.06~1.151.08~1.17
EUR/JPY128.0~140.5130.5~143.0132.0~143.0132.5~144.0

米国の利上げ、量的引締め期待の高まりによるドル高や、ウクライナ情勢の悪化と長期化による景気減速リスクの高まりを背景に、 今月はユーロの見通しを下方修正する。足もとで市場参加者は、ECBが今年3 回(75bp)と、マイナス金利を脱する水準まで利上げを実施することを織り込んでおり、ユーロ相場を一定程度支える要因となろう。ただし、依然として米国の利上げが先行するとみられることに加え、景気減速リスクなど、ユーロを取り巻く下押し材料は多い。目先は景気の減速が確認されるにつれて利上げ期待が後退し、 ユーロの下押し圧力となると予想している。5 月は、政策判断の要因となる物価動向及び 5月のユーロ圏の景況感に関する指標に注目している。物価の伸びは一段の加速が見込まれるが、すでに市場の織り込みが相応に進んでいることから、結果を踏まえた市場の反応として、利上げ時期のさらなる早期化や利上げ幅の拡大につながる可 能性は低く、ユーロのサポート材料とはなりにくそうだ。

MUFG – FX Monthly(2022年1月31日公表)

※三菱UFJのレポートは自動で更新されます。

基本的に円安の加速とユーロ高で横ばい圏での推移との予想です。

2022年末にかけては、ユーロ円で132.0~143.0でのレンジ推移と予想しています。

日本総研

日本総研では、2022年のユーロ円相場について以下のように述べています。

今春以降は、主要政治イベントの不透明感の払拭や景気回復ペースの安定に伴い、ユーロは底堅さを取り戻す見通し。供給制約が解消に向かうことでドイツの輸出などを中心に持ち直しが続く公算。加えて、金利面からのユーロ下押し圧力も和らぐ見込み。PEPPの終了は金利上昇に作用するほか、APP(拡大資産購入プログラム)による買い入れの一時的な増額は、10月以降、再び200億ユーロへ縮小される方針。このほか、ECBがインフレ高進の一時的な要因としていた天然ガス価格の高止まりが続くようであれば、市場ではECBによる利上げを巡る観測も高まりやすくなり、ユーロ支援材料となる可能性。

為替相場展望(2022年1月公表)

2022年は、主要政治イベントの不透明感の払拭や、景気回復ペースの安定といった好材料が多いとしています。

以下は具体的なレンジ予想です。

スクロールできます
通貨2022年1月~3月2022年4月~6月2022年7月~9月2022年10月~12月
EUR/JPY125~137125~137127~139121~139

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ユーロ円の今後の見通し・予想まとめ

ユーロ円の今後の見通しは以下の通りです。

ユーロ円の見通し
  • ウクライナとロシアの情勢悪化はユーロの懸念材料となる
  • ドイツ新政権の動向に期待
  • PEPP後の金融政策に注目
  • 米金融市場への注目がECBに移る可能性がある

新型コロナウィルスの影響でダメージを受けたEU諸国の景気好転が焦点となります。

また、ウクライナ情勢の問題やECBの今後の動きには特に注目です。

ユーロ円はポンドやマイナー通貨に比べて値幅が小さいので、リスクを抑えた取引に適している通貨ペアといえます。

まずは、情報収集をしてユーロ円の取引を始めてみましょう。

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