ユーロ円の今後の予想/長期見通しを分かりやすく解説!【初心者向け】

ユーロ円

FXの取引通貨ペアとして人気のユーロ円(EUR/JPY)

欧州のユーロと日本の円で構成された通貨ペアです。

いずれも為替の業界ではメジャー通貨に位置づけられており、初心者~上級者まで幅広い層で取引されています。

このページではそんなユーロ円の見通しをテーマに解説していきます。

ぜひ最後まで読んで、FX取引の参考にしてください。

※なお、在外金融機関にて取引されるオフショア円のこともユーロ円と称しますが、本記事では為替ペアとしてのEUR/JPYについて取り扱います。

この記事をまとめると・・・
  • ユーロ円は2023年1月現在上昇トレンド形成中
  • 2016年イギリスのEU離脱決定を受け暴落
  • ドイツ、メルケル首相長期政権の終わりに懸念
  • ECBはユーロ高をけん制している
  • 各社の2022年ユーロ円相場展望
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目次

ユーロ円の基本情報

ユーロは、欧州連合27か国のうち19か国で導入されている通貨です。

為替市場で米ドルに次ぐ2番目に取引量の多い通貨です。

しかし、為替市場ではユーロ円ペアでの取引があまりなく、ユーロドルとドル円の値で計算されています。

これをクロス通貨といい、ユーロ円の値はユーロ円(EUR/JPY)=ユーロドル(EUR/USD)×ドル円(USD/JPY)で計算されています。

ユーロ円の計算例

(例)ユーロドル1.200、ドル円105円の場合
ユーロドル1.200×ドル円105=ユーロ円126円

ユーロ円の取引をする際は、ドル円とユーロドルの動きに注目しましょう。

ユーロ円の現在の為替レート

2020年5月には新型コロナウィルスの影響を受けて、一時的に114円台まで下落をしました。

その後はユーロ買いにより、2021年6月には132円付近まで上昇しており、円売りよりもユーロ買いの力が強い状態となりました。

2023年1月3日現在は、円安が急速に進んだ影響を受け、139円前後で推移しています。

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ユーロ円のこれまでの変動要因

ユーロ円のこれまでの変動要因
引用元:Trading Viewの提供チャート

2016年6月はイギリスのEU離脱が国民投票により決定した月です。

それを受けて、2016年始値で130円台であったユーロ円が110円台まで急落(円高)する形となりました。

イギリスはEU加盟時代でも独自通貨ポンドを採用していましたが、世界的な金融センターであり、欧州大国の一角でもあるイギリスの離脱は大きな影響を与えたものだと見られます。

2017年ごろは上昇(円安)を決めていますが、これはEU経済の回復による影響が大きいです。

EU諸国は2008年以降のリーマンショック欧州債務問題により、景気の後退が懸念されていました。

その中で主要国であるドイツやフランスといった国が、輸出拡大や国内消費などを背景に景気の好転に成功しています。

その後、EU諸国での景況感には格差がありましたが、欧州債務危機からの脱却や緩和的な金融政策により、ユーロの買いが徐々に増えていった形です。

その後は世界的なCOVID-19の感染拡大を受けて安全資産の円買いが続き、2020年5月には新型コロナの影響で再びユーロ安となっています。

その後、2023年現在までは価格を戻して、現時点では139円台を推移しています。

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2023年に予想されるユーロ円の変動要因

続いて2023年に予想されるユーロ円の変動要因について解説します。

詳しく見ていきましょう。

ウクライナとロシアの対立

2023年1月現在、ウクライナとロシアの対立に対する報道が度々話題となっています。

かつては兄弟国と言われるほど親交の深かった両国ですが、両国ともに国境付近へ軍を派遣させるなど、緊迫した情勢が続いているのです。

ウクライナが西側の欧米諸国に接近したことをロシア側が良く思わず、長年にかけて関係悪化してきたことが要因です。

この問題はEUにとって他人事ではなく、今後の経済活動の行方を左右する大きな問題となっています。

EUを含む国際社会はロシア側のやり方に反発をしていますが、EUはロシアに資源依存をしていることから弱腰の姿勢をとっていると言われているのです。

ロシアは資源供給ストップを材料としてEUの姿勢を批判している状態であるため、今後もウクライナとロシアの対立が続くようであれば、ユーロにとっても大きな懸念となります。

ウクライナ奪還領土急拡大による高騰
引用元:Trading Viewの提供チャート

2022年9月にはウクライナがロシアに実質支配されていた領土の奪還に成功したというニュースがありましたが、その際にはユーロの急激な買いが進みました。

ECBの段階的利上げ

ユーロは長期的に0%の低金利政策を続けていました。

2021年の終わりから主要国で続々と利上げが続いていましたが、ECBは徹底した低金利の政策を打ち出していた現状です。

しかし、2022年の欧州中央銀行の発表で、利上げを実施する方針が発表され、2022年7月についに利上げが実施されたのです。

今後も段階的な利上げが進めらると考えており、主要国そろって利上げが行われることとなりました。

金利の上昇は投資家にとってポジティブニュースになる場合が多いですが、現状では当局で意見が分かれている状況です。

慎重な見方を示した意見の内容
経済と地政学上の不確実性を踏まえ、特定の金利の道筋に事前にコミットするべきではないとの見解

イタリアとスペインの中銀総裁は慎重な意見を示しており、EU内でも大きく意見が分かれています。

ユーロ圏のインフレは悪化しており、長期の低金利政策終了に向けた圧力が高まっているという見方も多いです。

2023年は、ユーロの金利上昇に目を向けていく必要があります。

ドイツ・イタリア新政権への不安と期待

2005年から長きにわたってドイツの首相を務めてきたメルケル氏ですが、2021年の12月で政界を引退しました。

メルケル氏は2000年より与党CDUの党首でしたが、2018年末には党首を辞任しています。

後任の選出はまとまらず難攻していましたが、2021年12月よりオーラフ・ショルツ氏が後任となって新政権が発足しています。

しかし、長きに渡って政権を担ってきたメルケル氏の退任と、手腕が未知数なショルツ氏の就任は、ドイツの情勢において懸念とする見方が多いです。

一方のイタリアでは、前ECB総裁であるドラギ氏が首相に就任したことで、EUでのイタリアの存在感が増すと言われていました。

しかし、2022年7月にはイタリアのドラギ首相までもが辞任をし、10月にはメロー二氏が次期首相に就任します。

メロー二次期首相ってどんな人
・ネオファシズムを源流とする新興の右派政党「イタリアの同胞」
・カトリックに基づくイタリアの伝統的家族観を尊重し、中絶や同性婚に反対する宗教保守
・2006年からイタリアの下院議員を務める

ECBによるユーロ高の懸念

ECBは、現在のユーロ水準の高さについて、たびたび懸念する声明を出しています。

それは、ユーロ高に対して以下のような懸念があるからです。

ユーロ高懸念の要因
  • 輸入品の価格下落によるデフレの加速
  • 輸出競争力の低下
  • 実体経済との乖離

注目は3つ目の実体経済との乖離です。

現在のEU諸国は、新型コロナウィルスの感染拡大や都市封鎖により経済が落ち込んでいます。

その状況でユーロが買われ続けているため、収束後には更なる上昇が予想されるのです。

極端なユーロ高になれば、輸入品の価格下落や輸出競争力の低下により、更なる経済悪化を招きかねないとの考えを示しています。

2021年2月に発表されたECBの議事要旨で為替レートで見るユーロの動向は悪影響、更なる金融刺激が必要」としてユーロ高を強くけん制しています。

今年の動きとして、ユーロ高を引き下げるための政策がECBによって打ち出されれば大きな影響を与えそうですね。

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ユーロ円の今後の見通し・予想

次に各会社が発表している、ユーロ円の見通しと展望を紹介していきます。

FX取引の戦略ではこのような情報収集が重要となってくるので、ぜひ参考にして取引をしていきましょう。

野村證券

野村證券は2023年1月時点で、以下のように述べています。

23年後半には世界的なリスク心理改善がユーロの支えに 23年のユーロ相場にとって、年初にかけては世界景気の減速が逆風となることが予想 される。欧米を中心に先進国では22年末に景気後退入りの公算が大きい中、FRBや ECBはインフレ抑制のために利上げを継続することが見込まれる。4-6月期にはFRB やECBの利上げは休止、中国のゼロコロナ政策解除も加わることで、リスク心理は改 善に向かうと見られるが、1-3月期にかけては一時的にせよリスク心理の急速な悪化 が生じる可能性は否定できない。企業景況感も世界的に下押しされた状況が目先は続きそうだ。

野村證券 – 国際金融為替マンスリー 2023年

※野村證券のレポートは自動で更新されます。

野村證券は、2023年のEUR/JPYを130台の推移と予測しています。

ECBのタカ派姿勢はインパクトが少ないことや、景気減速懸念の方が大きいとしています。

三菱UFJ

三菱UFJでは、2023年のユーロ相場の展望を以下のように予想しています。

ウクライナ情勢の悪化を背景とした資源価格の上昇に、ロシアか らの資源供給への懸念も加わり、ユーロ圏の10月の消費者物価指数 (HICP)の伸びは、前年比+10.7%まで上昇した。ユーロ圏の物価は、 ロシアに対する資源の輸入依存度の高さや、輸入先のシフトが困難な天然ガス価格の上昇の影響を大きく受けている。いまだノルウェーに次ぐ依存度を維持していることから、この先も需要の拡大する冬場にかけて、再び価格が 上昇するとの懸念に加え、ロシアからの資源供給に対する懸念を背 景とした、物価の高止まりも危惧される。

MUFG – FX Monthly

※三菱UFJのレポートは自動で更新されます。

基本的に円安の加速とユーロ高で横ばい圏での推移との予想です。

2023年にかけては、ユーロ円で130.0~142.0でのレンジ推移と予想しています。

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ユーロ円の今後の見通し・予想まとめ

ユーロ円の今後の見通しは以下の通りです。

ユーロ円の見通し
  • ウクライナとロシアの情勢悪化はユーロの懸念材料となる
  • ドイツ・イタリアの新政権動向に期待
  • PEPP後の金融政策に注目
  • 米金融市場への注目がECBに移る可能性がある

新型コロナウィルスの影響でダメージを受けたEU諸国の景気好転が焦点となります。

また、ウクライナ情勢の問題やECBの今後の動きには特に注目です。

ユーロ円はポンドやマイナー通貨に比べて値幅が小さいので、リスクを抑えた取引に適している通貨ペアといえます。

まずは、情報収集をしてユーロ円の取引を始めてみましょう。

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