仮想通貨USDD(Decentralized USD)とは?将来性や今後の見通し・予想を徹底解説!
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ステーブルコインは価格の安定性の実現を目的として設計されましたが、2022年5月上旬にステーブルコインの一つであるTerraUSD(UST)がドルとの連動を失い急落したことにより、その性能を一部で不安視されています。
またTerraUSD(UST)の崩壊がおきる直前にローンチされていて、奇しくも注目を浴びることとなったのが今回取り上げるステーブルコイン「USDD(Decentralized USD)」です。
この記事ではそんなUSDDの特徴や他のステーブルコインとの違い、またUSDDの安全性などをご紹介していきます。
- USDDは、2022年5月5日に誕生したトロン基盤のステーブルコイン
- 米ドルに連動するアルゴリズム型のステーブルコインである
- 分散型の発行・管理がなされており、カウンターパーティーリスクがない
- ドルとの連動を失ったTerraUSDと類似した仕組みを採用しており、安全性の確証はない
- USDD調達の元手となるメジャー通貨は、BITPointで入手可能
USDDは国内未上場であるため、もし入手するなら国内取引所でメジャー通貨を用意して、それを海外取引所でUSDDに換えることになります。
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仮想通貨USDD(Decentralized USD)とは?
名称 | USDD(Decentralized USD) |
ティッカーシンボル | USDD |
価格 | 1.0ドル(ステーブルコイン) ※¥146.04 |
時価総額 | ¥108,263,568,744 |
時価総額ランキング | 46位 |
取扱いのある主な取引所 | 海外取引所:Huobi Global、Poloniex、KuCoin 分散型取引所: Uniswap、PancakeSwap 国内には未上場 |
公式サイト | USDD公式サイト |
USDD(Decentralized USD)は、2022年5月5日にローンチされた米ドル連動のステーブルコインです。
基盤となっているのはトロンネットワークですが、BTTC(ビットトレントチェーン)のクロスチェーンプロトコルを用いてイーサリアムやBNBチェーンにも対応しており、それぞれのDEXでもスワップが可能です。
また市場上場からわずかで、時価総額は¥90,686,639,307まで膨らんでおり、時価総額ランキングでは47位につけています。
仮想通貨USDDの特徴
さて、ステーブルコインのUSDDは次のような特徴を有しています。
- アルゴリズム型(無担保型)のステーブルコインである
- 非中央集権型(分散型)のステーブルコインである
- ステーキングの利回りが高い
アルゴリズム型(無担保型)のステーブルコインである
一概にステーブルコインといっても価格を安定させる仕組みにはいくつかの種類があり、その中でUSDDはアルゴリズムによって1ドルの価値を維持されるアルゴリズム型のステーブルコインとなっています。
USDDはトロンネットワークの基軸通貨であるTRXと共存関係にあり、価格変動でアービトラージ(裁定取引)の機会が生まれると、TRXを出し入れしてUSDDの価格が1ドルで維持されます。
具体的には、USDDの価格が1ドルを下回った時には、ドルをシステムに送ってTRXを引き出し、逆にUSDDの価格が1ドルを上回る時にはTRXをシステムに送ってドルが引き出されます。
非中央集権型(分散型)のステーブルコインである
ステーブルコインの中にはテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)のように、発行・運営・管理等を中央集権的な機関に依存するものもあります。
一方でUSDDは非中央集権型(分散型)のステーブルコインであり、発行プロセスはブロックチェーン上でおこなわれ、価格は先ほど述べた通りアルゴリズムによってコントロール、管理はTron DAO(分散型自律組織)によっておこなわれます。
またUSDDは特定の管理者が存在しないことによって、カウンターパーティーリスク(発行者・管理者に起因する信用リスク)が起こり得ないというメリットがあります。
ステーキングの利回りが高い
USDDは「年利30%の無リスク金利」を掲げており、実際にTRON基盤のDEXであるSunSwapなどで、年利30%以上でのステーキングができるようになっています。
また、利回りが良ければ需要も集まります。
USDD発行の影響を受けて、トロンのDeFi全体のTVL(預け入れられている資産の増額)は大幅に増加しました。
またDeFiの情報サイトであるDeFi Llamaによると、2023年4月時点でトロンのTVLのランキングは、イーサリアムとBNBチェーンに次ぐ3位まで上昇してきています。
仮想通貨USDDと他のステーブルコインの違い
先ほど述べた通り単にステーブルコインといっても、価格を維持する仕組みには以下のような種類があります。
ここでは、それらの仕組みの違いを確認していきましょう。
- アルゴリズム型(無担保型)
- 法定通貨担保型
- 仮想通貨担保型
アルゴリズム型(無担保型)
アルゴリズム型では、市場の需要の変化に合わせてアルゴリズムが自動的に供給量を調節することで、価格を維持します。
価格維持に担保を必要としないというメリットがあり、またその特徴から「無担保型」とも呼ばれています。
また先述の通り、USDDはアルゴリズム型に分類されます。
担保不要で価格が自動的に維持される完璧な永久機関のようにも見えますが、残念ながらアルゴリズム型の一つであるTerraUSD(UST)は、2022年5月上旬にその仕組みを維持できずに崩壊を起こしました。
本来1ドルで維持されるはずのTerraUSDはステーブルコインとしての信用を失って、以下のチャートの通り無価値に近い状態になり、すでに大半の取引所で上場が廃止されています。
また基盤となっていたTerraチェーンではハードフォークがおこなわれ、Terraチェーンとは異なる新たなチェーン「Terra2.0」が立ち上がることとなりました。
- USDD(USDD)
- TerraUSD(UST)※現在は機能していない
- Basis Cash(BAC)※現在は機能していない
法定通貨担保型
法定通貨担保型はドルや日本円、ユーロなどの法定通貨を担保としており、また担保とする法定通貨の価格に連動します。
そのメリットは、価格がそのまま担保である法定通貨に裏付けられているために、ほとんど価格のぶれがないことにあります。
一方で中央集権的な通貨であるため、カウンターパーティーリスク(発行者・管理者に起因する信用リスク)を伴うというデメリットもあります。
また数ある法定通貨担保型のステーブルコインの中には、管理者が十分な担保を確保しないまま発行しているものや、どれほどの担保を確保しているのか不透明なものもあるので、その点は注意が必要です。
- テザー(USDT)
- USDコイン(USDC)
- バイナンスUSD(BUSD)
仮想通貨担保型
仮想通貨担保型では、法定通貨ではなくビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を担保にして、価格はドルなどの法定通貨に連動しています。
担保の仮想通貨のボラティリティが高く、法定通貨型よりも安定性で劣るというデメリットがあり、現状この仕組みを採用しているステーブルコインはそれほど多くありません。
一方で分散型の発行・管理ができるため、透明性の面では優れています。
ダイ(DAI)
仮想通貨USDDは安全か
USDDは担保に裏付けされないアルゴリズム型のステーブルコインですが、同じくアルゴリズム型に属するTerraUSD(UST)は2022年5月上旬にシステム崩壊の憂き目に遭いました。
またTerraUSD(UST)やTerra(LUNA)の開発企業Terraform Labsの共同創設者であるドー・クォン氏は、過去にイーサリアム基盤でもアルゴリズム型のステーブルコイン「Basis Cash(BAC)」を開発していたのですが、そちらも現在はプロジェクトが廃止されています。
これらの事例があることから、この度新たに誕生したUSDDが安全なものなのか、多くの方が気になっていることでしょう。
ただUSDDが安全を保証するものは、残念ながらありません。
少し話が逸れますが、トロンの創設者のジャスティン・サン氏は、TerraUSDの騒動を受けてその崩壊原因を以下のように分析しました。(出典記事:cryptonews.com)
- TerraUSDは短期間で急速に成長したために、準備金が不十分で過剰なレバレッジを使用した
- アンカープロトコルの利回りが高すぎた
- 市場変数への適切な考慮が欠如していた
またジャスティン・サン氏はこれらの分析を踏まえて、USDDについてはその時価総額をTRXとTron DAOリザーブ、仮想通貨市場全体の時価総額以下に保ち、健全な成長に焦点を当てると述べています。
ただそのような取り組みをおこなうと開発者側が主張したからといって、100%USDDが安全であると保証されるわけではありません。
そのためUSDDが安全かどうかの判断は、USDDの仕組みやリスクをよく理解した上で、投資家一人ひとりが主観的に下す他ないでしょう。
なおステーキングの利回りなどの利点は考慮せず、安全という点のみにフォーカスするのであれば、アルゴリズム型のUSDDよりも法定通貨担保型のステーブルコインの方が安全だと言えるでしょう。
仮想通貨USDDの価格動向
ここで、仮想通貨USDDの価格動向を確認しておきましょう。
以下のチャートは、USDDが2023年10月現在までのUSDD/USDチャートです。
USDDはドルに連動するステーブルコインなので、本来はほぼ1ドルで推移するはずです。
しかしチャートから読み取れる通り2022年5月11日~13日にかけて、テラUSD(UST)に市場が動揺したことを受けて、一時大きく1ドルから外れています。
また同じ期間の値動きを、法定通貨担保型ステーブルコインであるテザーと比較してみましょう。
テザー/USDチャート(赤色のチャート)をみると、5月11日~12日にかけてやはり1ドルから外れていますが、USDDと見比べると遥かに小さな変動で済んでいることがわかります。
また6月の動きを見ても、USDDよりもテザーの方が動きが落ち着ていることが見て取れます。
このように実際の値動きを見ても、アルゴリズム型のUSDDよりも法定通貨担保型のテザーの方が高い安定性を有していると言えるでしょう。
仮想通貨USDDの今後の見通し
ローンチから日が浅いUSDDですが、その今後には以下のような要素が影響を及ぼすものと見られています。
- ステーブルコインの市場が拡大し続けている
- ステーブルコインが決済手段として普及する可能性がある
- ステーブルコインへの法整備・法規制が進められている
ステーブルコインの市場が拡大し続けている
ステーブルコインの市場規模は年々拡大しており、例えば最もメジャーなテザーの時価総額は、2023年3月時点で9兆円を超えています。
当然ながら市場が成長していることは、USDDにも追い風となります。
ただトロンの創設者であるジャスティン・サン氏がTerraUSDの崩壊原因として述べた通り、あまりに急激な成長を遂げるとTerraUSDの二の舞を踏みかねないので、その点は注視しておいた方がよいでしょう。
ステーブルコインが決済手段として普及する可能性がある
ビットコインはボラティリティが大き過ぎるために、遅々として決済手段としての普及が進んでいません。
一方で価格が安定していて取引コストも抑えられるステーブルコインは、様々な場面で決済手段として活用される可能性を秘めています。
またステーブルコイン全体の活躍の場が広がれば、その一つであるUSDDの需要も拡大していくことでしょう。
ステーブルコインへの法整備・法規制が進められている
ここまで2つ前向きな要素を取り上げましたが、一方でステーブルコインには法規制という懸念点もあります。
ステーブルコインは次々に新しい銘柄が誕生していますが、それに一歩遅れて法整備が世界各国で進められています。
そういった流れの中で日本では、2022年6月3日にステーブルコインに関連して改正資金決済法が成立しました。
この法改正によって、日本でのステーブルコインの発行者は銀行や資金移動業者、信託会社に限定されます。
つまり日本では今後、USDDのような分散型のステーブルコインは生まれてこないということです。
また欧米ではTerraUSDの騒動を重く受け止めており、今後は無担保型ステーブルコインに対して何らかの規制がかけられる可能性が出てきています。
USDDを保有するなら、こういった規制強化の動きにも目を向けておく必要があるでしょう。
仮想通貨USDDの入手方法
最後に、USDDの入手方法をご紹介します。
USDDは今のところ国内市場には上場していないため、入手するには以下のような段階を踏む必要があります。
- 国内取引所でメジャー通貨(ビットコインやイーサリアム)を用意する
- 海外取引所で、メジャー通貨を元手にUSDDに換金する
- Huobi Global
- Poloniex
- KuCoin
なお海外取引所の中には、ビットコインやイーサリアムから直接USDDに換えられないところもあります。
その場合は、海外取引所での決済通貨として定着しているUSDTに一旦換えて、USDTをUSDDに換金することとなるでしょう。
ちなみに元手となるビットコインやイーサリアムは、人気の国内取引所である「BITPoint」で保有できます。
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BITPoint
名称 | BITPoint(ビットポイント) |
公式サイト | BITPoint(ビットポイント)の公式サイト |
取り扱い通貨 | 22種類 |
取引単位 | 0.00000001BTC |
取引手数料 | 無料 |
送金手数料 | 無料 |
提供サービス | 現物取引 ステーキングサービス レンディングサービス など |
BITPointは、株式会社ビットポイントジャパンが運営しています。
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仮想通貨USDDの将来性まとめ
今回は、ステーブルコインのUSDDをご紹介しました。
- USDDは、2022年5月5日に誕生したトロン基盤のステーブルコイン
- 米ドルに連動するアルゴリズム型のステーブルコインである
- 分散型の発行・管理がなされており、カウンターパーティーリスクがない
- ドルとの連動を失ったTerraUSDと類似した仕組みを採用しており、安全性の確証はない
- USDD調達の元手となるメジャー通貨は、BITPoint(ビットポイント)で入手可能
USDDは、2022年5月中旬にドルとの連動機能を失って急落したTerraUSDと同じく、アルゴリズム型のステーブルコインとなっています。
トロンの創設者であるジャスティン・サン氏は、TerraUSDの問題点を指摘した上でUSDDの安全性を主張していますが、もちろんそれがUSDDの安全を確約してくれるわけでありません。
そのためUSDDを取り扱うのであれば、その仕組みや他のステーブルコインとの違いをよく理解した上で、自分自身の判断と責任に基づいて取引をおこなうようにしましょう。
なおUSDDは国内に上場していないので、購入する際は一旦BITPoint(ビットポイント)などの国内取引所でメジャー通貨を用意して、それを海外でUSDDに換えることになります。
初心者にも扱いやすい人気の取引所なので、ぜひこの機会にBITPoint(ビットポイント)の公式サイトも併せてチェックしてみてください。
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