仮想通貨アービトラム (Arbitrum / ARB)とは?特徴と将来性を徹底解説
仮想通貨アービトラム (Arbitrum / ARB)とは、イーサリアムレイヤー2であるアービトラムチェーンにおける通貨です。
レイヤー1(メインネット)であるイーサリアムブロックチェーンは、ユーザー数の増加により取引量が増えることで、処理速度の低下やコストの増大といった問題を抱えています。
こうしたスケーラビリティ問題を解決するプロジェクトとして、レイヤー2のアービトラムが注目されています。
今回の記事では、仮想通貨アービトラムについて解説します。
- アービトラムは、イーサリアムレイヤー2ブロックチェーンのひとつ
- レイヤー2は、レイヤー1(イーサリアムのメインネットワーク)を補完するネットワーク
- アービトラム以外にも、ポリゴンやオプティミズムなどのイーサリアムレイヤー2チェーンが存在する
- アービトラムブロックチェーンには2種類あり、それぞれユースケースが異なる
- アービトラムチェーンはイーサリアムチェーンとの互換性がある
仮想通貨アービトラムは国内取引所での取り扱いはほとんど無いため、基本的には海外の取引所で購入することになります。
多くの海外の取引所では日本円が使えないため、SBI VCトレードなどの国内取引所にて、決済に必要な仮想通貨をあらかじめ用意しておきましょう。
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仮想通貨アービトラム (Arbitrum)とは?
通貨名 | アービトラム(Arbitrum) |
シンボル | ARB |
総供給量 | 10,000,000,000枚(100億枚) |
価格 | ¥177.25 |
時価総額 | ¥469,516,553,576 |
時価総額ランキング | 36位 |
公式サイト | Arbitrum公式サイト |
アービトラムとは、イーサリアム(Ethereum / ETH)レイヤー2ブロックチェーンプロジェクトのひとつです。
イーサリアムレイヤー2とは、メインネットワークのレイヤー1であるイーサリアムブロックチェーンが抱えるスケーラビリティ問題を解決するために拡張された別のブロックチェーンです。
イーサリアムのスケーラビリティ問題とは、ユーザーの増加により取引(トランザクション)の量が多くなることで、ネットワークの混雑により引き起こされる処理性能の低下や手数料(ガス代)の高騰といった問題を指します。
レイヤー2にはメインチェーンであるレイヤー1のブロックチェーンの外(オフチェーン)から補完する役割があり、レイヤー1とあわせてレイヤー2でもデータを処理することによってデータの処理性能が上がり、レイヤー1のみでデータを処理するよりもスピーディかつ低コストにデータが処理できることが期待されています。
アービトラムチェーンのほかにも、ポリゴン(Polygon / MATIC)やオプティミズム(Optimism / OP)といったレイヤー2ブロックチェーンが存在しています。
アービトラムプロジェクトはDAO(分散型自律組織)によって運営され、そのガバナンスではARBトークンが利用されています。
ARBトークンは2023年3月にエアドロップが実施された後、BinanceやCoinbaseなどの海外仮想通貨取引所への上場を果たし、現在は「ARB」をティッカーシンボルとする仮想通貨アービトラムとして、一般に流通しています。
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仮想通貨アービトラム (Arbitrum)の特徴
次に、仮想通貨アービトラムの特徴について解説します。
2種類のブロックチェーンが開発されている
アービトラムブロックチェーンは、「Arbitrum One(アービトラム・ワン)」と「Arbitrum Nova(アービトラム・ノヴァ)」という2種類のブロックチェーンネットワークにより構成されています。
どちらもイーサリアムのメインネットワークに接続されており、レイヤー2としてトランザクションを処理します。
これらは利用用途が異なるため、目的に合わせてそれぞれ開発されました。
ブロックチェーン | 主な利用用途 |
---|---|
Arbitrum One | DeFi(分散型金融)・NFT |
Arbitrum Nova | ブロックチェーンゲーム・ソーシャルメディア |
Arbitrum Oneの特徴
Rollup(ロールアップ)プロトコルを実装しており、一般的な使用用途を想定して設計されています。
すべてのデータをメインネットワークに渡し、より厳格なプロセスにてデータを処理することを重視しており、高いセキュリティが特徴です。
そのため、DeFiやNFTといった高いセキュリティが求められるユースケースが想定されています。
Arbitrum Novaの特徴
AnyTrustプロトコルを実装しており、膨大なデータ量のトランザクションが必要なアプリケーションにおける用途を想定して設計されています。
レイヤー2でデータを処理する中で、問題が発生した場合のみメインネットワークのオンチェーンで処理する仕組みが採用されています。
これにより、ローコストで高いパフォーマンスが実現しやすい仕組みとなっています。
そのため、厳しい基準のセキュリティは比較的必要とされず、また、多くのデータ量の処理が必要なゲームやソーシャルアプリなどでの活用が想定されています。
なお、厳密にはこれら2つのブロックチェーンの他にも「Arbitrum Goerli(ゴエリ)」や「Arbitrum Sepolia(セポリア)」といったチェーンが存在しますが、これらのチェーンはテストを目的として開発されたものであり、通常の取引には使用されないテストネットワークに接続されています。
DAOによる運営の分散化
アービトラムプロジェクトは、もともとは開発企業であるOffchain Labs(オフチェーンラボ)により、中央集権的な体制にて運営されていました。
アービトラムはメインネットワークにおける約1年半の運用ののち、2023年3月16日、Arbitrum OneおよびArbitrum Novaの2つのネットワークに関してDAOガバナンスを開始することを発表しました。
DAOガバナンスの発足により、2つのネットワークを分散化させるための取り組みが進みました。
チェーンを分散化させる背景には、アービトラムにおけるセキュリティの考え方があります。
アービトラムはイーサリアムチェーンを安全に拡張することを使命としており、セキュリティを第一に考えるなら、分散型の組織の在り方は重要な要素です。
安全で分散型のレイヤー2を構築するには、中央集権的なチェーン制御を排除し、チェーンがトラストレスに動作することが欠かせません。
アービトラムのDAOガバナンスは自己執行型であり、オンチェーンのアクションに関するDAOの意思決定は、中央集権的な仲介なしにオンチェーンに直接影響する権限を持ちます。
2023年3月のエアドロップ後、取引所に上場
アービトラムプロジェクトにおいて使用されてきたアービトラムトークン(ARB)は、2023年3月にエアドロップが実施された後には取引所にも上場し、仮想通貨アービトラムとして一般に取引されるようになりました。
ARBトークンは、DAOによるガバナンスで用いられるトークンです。
ARBトークンを保有することで、コミュニティにおいて投票権を持ち、「Arbitrum One」と「Arbitrum Nova」の両方のプロトコルに関してプロジェクトの運営および意思決定に関わることができます。
2023年3月に実施されたエアドロップ(知名度を高めユーザーを増やすことを目的に実施される、仮想通貨の無料配布イベント)ではアービトラムネットワーク参加者に、翌月にはアービトラムのDAOに仮想通貨アービトラムが配布されました。
エアドロップ実施後はBinance、Coinbase、Bybit、OXKなどの複数の海外仮想通貨取引所に上場しました。
仮想通貨取引所に上場したことで、仮想通貨アービトラムが誰でも簡単に取引できるようになりました。
仮想通貨アービトラム (Arbitrum)の買い方・入手方法
仮想通貨アービトラムの買い方や入手方法について解説します。
現在、仮想通貨アービトラムを取り扱っている国内仮想通貨取引所はほとんどないため、今回の記事では海外取引所にて仮想通貨アービトラムを購入する方法について解説します。
仮想通貨アービトラムは、以下の手順にて購入・入手が可能です。
取引に必要な仮想通貨を用意する
海外の仮想通貨取引所で仮想通貨アービトラムを購入する場合、基本的には日本円で購入することができません。
そのため、まずは国内の仮想通貨取引所にて、仮想通貨アービトラムの取引に必要な仮想通貨を入手しておきます。
今回の記事では、国内取引所「SBI VCトレード」にて仮想通貨を購入する方法を説明します。
サービス名称 | SBI VCトレード |
運営会社 | SBI VCトレード株式会社 |
設立年月日 | 2017年5月26日 |
主な提供サービス | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引(販売所) 貸コイン 積立 ステーキング SBI Web3ウォレット |
取扱仮想通貨銘柄数 | 販売所:20種類 取引所:7種類 |
公式サイト | SBI VCトレード公式サイト |
関連記事 | SBI VCトレードの評判 |
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口座開設が完了すると取引が可能な状態になるため、日本円を入金し、取引用の仮想通貨を購入します。
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海外の仮想通貨取引所に送金
入手した仮想通貨を、仮想通貨アービトラムを取り扱っている海外の仮想通貨取引所に送金します。
アービトラムは、以下の海外取引所で購入が可能です。
- Binance
- MEXC Global
- Kucoin
- OKX
- Bybit
- Coinbase
など
多くの取引所では、USDTとの通貨ペアにてアービトラムが取り扱われています。
用意しておいた仮想通貨でUSDTを購入し、その後、USDTをアービトラムと交換することで、アービトラムの入手が完了します。
仮想通貨アービトラム (Arbitrum)の価格推移
仮想通貨アービトラムは、2023年3月に実施されたエアドロップののち、同年3月23日よりCoinbaseやBinanceなどの主要な海外取引所への上場を始めました。
上場直後から2023年後半までは、全体的に下落傾向となっています。
上場後、4月中旬に向けて大きく価格を上昇させますが、その後は下落を始め、6月中旬には4月の半値ほどにまで下がりました。
その後は7月中旬に向けて一度回復するものの、再度下落トレンドに入ります。
背景には、中国国内の不動産市場の冷え込みにより、中国国内で不動産開発企業の業績が悪化、8月17日には大手不動産開発会社である「恒大集団」が破産を申請したことなどがあります。
恒大集団はアメリカの不動産およびアメリカ企業の株式など、多額の米国国内の資産を保有しており、この破産申請は仮想通貨市場全体に影響を与えました。
アービトラムの価格もこの影響を受けたと考えられ、9月頃まで下落を続けます。
しかし、2023年後半に入ると、ビットコインの現物ETF承認の影響でARB含む仮想通貨市場全体での上昇相場になっています。
一時は最高値となる2.4ドルを記録しており、今後のさらなる上昇が期待されています。
アービトラムは今後の成長性が充分あると考えられる銘柄のため、興味がある人は価格が上昇する前に購入しておくと良いかもしれません。
続いて、アービトラムの今後の成長性について、詳しく予想してみましょう。
仮想通貨アービトラム (Arbitrum)の将来性・今後の予想
仮想通貨アービトラムの将来性や今後について、考察していきます。
2024年3月、ARBトークンの凍結解除予定
総供給量は100億枚とされているアービトラムは、最初に12億7500万枚の通貨を流通させました。
その後は1枚も増えていませんでしたが、2024年3月、10億ドル以上のネイティブトークン「ARB」をリリースし、4年間の時差凍結(ロック)解除が段階的に始まることが予定されています。
ロック解除(アンロック)とは、市場の流通枚数の急変動によりトークン価格が大きく変動してしまうことを防ぐため、時間をずらして仮想通貨を放出することを指します。
初期に投資していた人やプロジェクトチームのメンバーなどが大量に売却してしまうとトークン価格が急落してしまう可能性があるため、売却できないよう一定量を凍結させておきます。
エアドロップで配布されたアービトラムトークンは即時リリースされましたが、初期投資家やOffchain Labs(アービトラムの開発企業)に対して割り当てられたアービトラムトークンは、4年間のロックアップ(一定期間トークンを売却できない状態にすること)がされています。
アービトラムは、4年間にわたり、4週間ごとに一定数のトークン凍結を解除し続けることになっています。
流通している12億7500万枚の87%に相当する金額が解除される見通しです。
アンロックが実施されることにより、アービトラムの流動性が高まっていくことが予想されます。
イーサリアムレイヤー2の需要は高まる見込み
2024年中に、アービトラムネットワークなどのイーサリアムレイヤー2の需要が高まることが予想されています。
この予想は、2024年4月頃に訪れると予測されるビットコインの半減期のスケジュールが影響しています。
ビットコインの半減期とは、マイニングの報酬額が半分になるイベントを指し、通常は4年に1度の頻度で発生します。
半減期イベントの前後では仮想通貨市場が過熱することが予想されるため、イーサリアムネットワーク上でのトランザクションの量が増大することが懸念されます。
そうなった場合、1回の取引に要する時間が大幅に増えるうえ、高額な手数料が発生してしまいます。
イーサリアムネットワークの処理性能が低下しコストが上昇することにより、多くのユーザーは、こういった問題(スケーラビリティ問題)を解決を期待し、アービトラムなどのレイヤー2ネットワークを利用し始めるでしょう。
2024年はビットコインの半減期が招く仮想通貨市場の過熱により、アービトラムを含むレイヤー2ネットワークの需要が高まり、結果として仮想通貨アービトラムの価格が高騰することが予想されます。
レイヤー3ブロックチェーンの構築ツール普及への期待
レイヤー2プロトコルは、イーサリアムの処理性能およびコスト削減において、すでに大きく貢献しています。
そんな中、2023年6月22日、アービトラムの開発企業であるOffchain Labsは、さらに一歩進んだレイヤー3ネットワークという画期的な概念を発表しました。
Offchain Labsがリリースしたツールは、アービトラムのネットワーク上に独自のレイヤー3ブロックチェーンを立ち上げることを可能にします。
このツールは「Arbitrum Orbit(アービトラムオービット)」と呼ばれるパッケージで、これを使用して独自の専用チェーンを作成することができます。
アービトラムに接続されたレイヤー3ネットワークは「オービットチェーン(Orbit chain)」と呼ばれ、このチェーンにおいては、開発者がチェーンのプライバシー・権限・手数料・ガバナンスなどをカスタマイズすることが可能です。
このツールにより、今まで以上に膨大な量のトランザクションを、スピーディかつ低コストで処理することができるようになります。
オービットチェーン同士は相互に通信が可能なことから、一度ユーザーが増え始めると、以降は加速度的に普及する可能性が期待できそうです。
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仮想通貨アービトラム (Arbitrum)に関するよくある質問
仮想通貨アービトラムに関するよくある質問を紹介します。
どのようにイーサリアムチェーンの負荷を軽減していますか?
アービトラムチェーンは、Rollup(ロールアップ)技術によりイーサリアムチェーンの負荷を軽減しています。
ロールアップとは、レイヤー1の外(オフチェーン)でトランザクションの一部を検証し、まとめてレイヤー1に記録することでメインチェーンを拡張する仕組みです。
レイヤー2でデータの計算をしたのち、データ(トランザクション)の証明をレイヤー1(メインネットワーク)で行います。
データをロールアップ(巻き上げ)して、圧縮することで、多くのデータ量を高速かつ低コストで処理できるようになります。
イーサリアムとの互換性はありますか?
アービトラムブロックチェーンは、イーサリアムのソースコードをそのまま読み込むことができ、互換性があります。
アービトラムチェーンはEVMの互換性を持ちます。
EVMとはEthereum Virtual Machine(イーサリアム仮想マシン)を指し、イーサリアムのスマートコントラクトの実行を可能にするシステムです。
これにより、イーサリアムチェーン上で構築されたDApps(分散型アプリケーション)も、アービトラムチェーン上でそのまま実行することができるようになります。
単純にイーサリアムとの互換性があるだけでなく、アプリケーションをアービトラムチェーン上で実行することで、より高速かつ低コストで利用できるようになります。
仮想通貨アービトラム (Arbitrum)のまとめ
今回の記事では、仮想通貨アービトラムについて解説しました。
- イーサリアムネットワークでは、取引量が増えることで処理性能が低下することが問題視されている
- レイヤー2により、イーサリアムのスケーラビリティ問題の解決が期待される
- ARBトークンは、コミュニティにおけるガバナンストークンとして機能する
- 仮想通貨アービトラムは、エアドロップ後に複数の海外取引所に上場した
- 今後、イーサリアムレイヤー2の需要が拡大することが予想される
仮想通貨アービトラムは、海外の取引所にて入手が可能です。
海外の取引所でアービトラムを購入するために、SBI VCトレードなどの国内取引所にて取引用の仮想通貨を入手しておきましょう。
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