【最新】自動車株おすすめ7選!今後の見通しや上昇/下落理由・配当利回り比較などを徹底解説
株式投資を行う際は、自分の生活に身近な企業の銘柄から調べ始めるという方も多いのではないでしょうか。
中でも自動車株はビジネスモデルが分かりやすく、誰もが知っている有名銘柄が多いことから大変人気のセクターです。
特にトヨタ自動車は日本企業のトップに位置する超一流企業であることは言うまでもありません。
とはいえ、どんなセクターや銘柄でも株価とは必ず浮き沈みがあるものです。
そこで、この記事では自動車株の特徴や傾向、おすすめの銘柄などを解説していきます。
株式投資に便利な証券会社もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 自動車株は景気変動や為替相場、原材料供給などの影響を受けやすい
- EVなどの次世代自動車と自動運転技術への技術開発競争が今後の鍵
- アジアや新興国を中心に、世界的な需要増が続いている成長分野
- 短期的には世界経済のリセッション(景気後退)の兆候に注意!
- 自動車株を取引するならCFD取引で柔軟な投資ができるIG証券がおすすめ!
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自動車株とは?
自動車株とは、トヨタ自動車や本田技研工業などをはじめとする自動車メーカーによって構成されるセクターです。
売上高で世界企業トップ10に入るトヨタ自動車を筆頭に、本田技研工業・スズキ・日産自動車など、日本を代表する大手企業が名を連ねている自動車株は、株式投資の初心者にとっても身近でわかりやすい分野といえるでしょう。
近年では世界的な環境意識の高まりを受けてカーボンニュートラルへの取り組みが求められており、自動車メーカー各社では電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)などの技術開発競争が過熱しています。
また、先端的なAIやICT技術の導入によって自動運転技術の開発も急速に進んでいるほか、新興国を中心に自動車需要の増加が見込まれるなど、技術・市場の両面でまだまだ発展の余地がある分野ともいえるでしょう。
なお、業界団体である日本自動車工業会には、現在14社の自動車メーカーが加盟しています。
日本自動車工業会の構成企業(50音順):
いすゞ自動車、カワサキモータース、スズキ、SUBARU、ダイハツ工業、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、マツダ、三菱自動車、三菱ふそうトラック・バス、ヤマハ発動機、UDトラックス
自動車株の特徴
日本経済を牽引している自動車株ですが、株価の面ではどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは大きなポイントとして以下の3点をご紹介します。
- 自動車株は景気に左右されやすい
- 自動車株は為替相場の影響を受けやすい
- サプライチェーンが広く、原材料不足の影響を受けやすい
自動車株は景気に左右されやすい
自動車株は、典型的な景気敏感株とされています。
一般的な消費者にとって、自動車は決して安い買い物ではありません。
そのため、景気が良くて所得に余裕がある際に購買意欲が高くなる傾向があります。
日本の自動車メーカーの場合は日本の経済状況の影響を受けることはもちろんですが、輸出先の各国の景気によっても業績が影響を受けることになります。
自動車株の動向を見る際には、その自動車メーカーの国内・海外比率や、力を入れている輸出先の景気動向などについても意識するとよいでしょう。
景気敏感株(シクリカル銘柄)とは:
景気敏感株とは、景気によって需要や業績が影響を受けやすい銘柄のことです。好景気の際は消費者の購買意欲が高まり、好業績が株価を押し上げる一方、不景気の際は株価が下落しやすくなります。株価の動きが大きいため、キャピタルゲインを狙いやすいのが特徴です。日経平均株価との連動性も高い傾向にあります。
対義語として、公共インフラなど景気に左右されにくい内需株(ディフェンシブ銘柄)があります。
自動車株は為替相場の影響を受けやすい
自動車株は、為替相場の変動による影響を非常に受けやすいセクターとされています。
日本の自動車メーカー14社が加盟している日本自動車工業会の統計によると、2021年に国内で生産された四輪車は約800万台であったのに対し、そのうちの半分にあたる約400万台が海外へ輸出されています。
更に海外で現地生産されている台数は1,600万台を超えていますので、日本の自動車メーカーが生産している車の大半は海外で販売されていることがお分かりいただけるでしょう。
国内生産台数 | 輸出台数 | 海外生産台数 |
---|---|---|
7,846,958台 | 3,818,910台 | 16,462,130台 |
当然のことながら、日本メーカーが海外市場で稼いだ利益は為替相場の影響を大きく受けることになります。
下の表は、日本の自動車メーカーが海外に輸出する際における、為替相場と利益の関係を簡易的に表したものです。
為替レート | 国内生産コスト/台 | 海外販売価格/台 | 利益/台 |
---|---|---|---|
円安のケース (例:1ドル 150円) | 100万円 | 1万ドル (150万円) | 50万円 |
円高のケース (例:1ドル 120円) | 100万円 | 1万ドル (120万円) | 20万円 |
同じ生産コスト、同じ販売価格であっても、為替相場によって利益が大きく変動することがイメージできると思います。
このように、一般的に自動車株は円安で業績が向上(=株価上昇)し、円高で業績悪化(=株価下落)しやすいと覚えておくと良いでしょう。
サプライチェーンが広く、原材料不足の影響を受けやすい
自動車は1台あたり約3万個もの部品で構成されている、高度な組立加工産業です。
そのため、自動車を製造をするためのサプライチェーンは非常に広範にわたっていますが、そのうちのひとつでも部品が不足すると自動車の生産にブレーキがかかってしまいます。
実際に、コロナ禍による混乱によって世界的な半導体不足が生じたことで、多くの自動車メーカーが自動車用半導体チップを調達できない事態に陥り、大幅な減産を余儀なくされています。
たとえ十分な需要があったとしても、部品がなければ完成車を生産・販売することはできません。
こうしたサプライチェーンリスクがあることも、しっかりと押さえておきたいところでしょう。
おすすめ自動車株ランキング
冒頭でご紹介した通り、自動車株には誰もが耳にしたことがあるような有名企業が多数あります。
ここでは、主要な自動車株の中からおすすめの銘柄を7社ご紹介していきます。
- 【7203】トヨタ自動車
- 【7267】本田技研工業
- 【7269】スズキ
- 【7201】日産自動車
- 【7270】SUBARU
- 【7202】いすゞ自動車
- 【7261】マツダ
【7203】トヨタ自動車
銘柄名 | トヨタ自動車 |
銘柄コード | 7203 |
株価 | 2,408円 |
時価総額 | 39,286,490百万円 |
PER | 12.65倍 |
PBR | 1.08倍 |
配当利回り | — |
株主優待 | なし |
トヨタ自動車は、日本最大手の自動車メーカーでトヨタグループの中核企業です。
同じく自動車メーカーである日野自動車とダイハツ工業を子会社に持ち、グループ全体での新車販売台数では2020年~2021年の2年連続で世界首位となっているほか、2022年についても首位を維持することが見込まれています。
売上高は31兆円(2022年3月期)を超え、日本企業の中では国内2位の三菱商事(17兆円)と3位の本田技研工業(14兆円)を大きく引き離して堂々のトップに輝いています。
トヨタ自動車は、まさに日本を代表する銘柄といっても過言ではないでしょう。
その強固な財務基盤を背景に研究開発費の規模においても日本企業随一となっており、カーボンニュートラルへの取り組みに関してはガソリン車、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、水素自動車の全てに注力する「マルチソリューション」を展開しています。
1997年に世界初の量産ハイブリッド自動車として登場した「プリウス」シリーズを筆頭に、多数の次世代自動車を生み出しているリーディングカンパニーといえるでしょう。
配当性向は2022年3月期で25.3%となっており、同社が目標としている30%には達していないものの、配当利回りもしっかり期待できる銘柄となっています。
なお直近の円高ドル安傾向などを受けて、2023年3月決算は約5,000億円の減益予想となっていますが、それでも最終利益が2.3兆円を超える見通しとなっているのは圧巻という他ないでしょう。
【7267】本田技研工業
銘柄名 | 本田技研工業 |
銘柄コード | 7267 |
株価 | 4,483円 |
時価総額 | 8,120,634百万円 |
PER | 9.29倍 |
PBR | 0.62倍 |
一株配当 | 150.0円 |
配当利回り | 3.35% |
株主優待 | 鈴鹿サーキット、モビリティリゾートもてぎ優待券 |
本田技研工業は、トヨタ自動車に次ぐ規模を誇る輸送機器メーカーです。
オートバイの販売台数・売上高で世界首位、自動車販売台数でも国内上位であるほか、小型ジェット機の出荷数でも世界首位であるなど、幅広い分野で活躍しています。
カーボンニュートラルへの取り組みについては、日本メーカーとして初めて完全脱ガソリンを目指す方針を宣言しており、2040年までに電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)の比率を100%にするという野心的な目標を掲げています。
2022年時点で、既にハイブリッド車の新車販売台数が全体の7割を占めていることからも、同社の脱ガソリンへの本気度が伺えるでしょう。
また自動運転技術の実用化にも力を入れており、2030年までに先進運転支援システム「Honda SENSING」を全車種に搭載する方針である他、2021年には市販車種としては世界で初めてレベル3自動運転システムを搭載した「レジェンド」を発売しています。
配当性向は2022年3月期で29.2%とトヨタよりも高く、高い配当利回りが期待できる銘柄となっています。
インド・ベトナムでの二輪車販売の伸びなどを背景に、2023年3月期決算では150億円増益、最終利益7,250億円となる見通しとされています。
【7269】スズキ
銘柄名 | スズキ |
銘柄コード | 7269 |
株価 | 5,255円 |
時価総額 | 2,580,975百万円 |
PER | 12.16倍 |
PBR | 1.12倍 |
一株配当 | 100.0円 |
配当利回り | 2.02% |
株主優待 | なし |
スズキは静岡県浜松市に本店を置く、四輪車・二輪車メーカーです。
2021年には本田技研工業を抜いて国内新車販売台数第2位に躍り出たほか、世界でも第7位につけるなど、目覚ましい躍進を続けています。
軽自動車が中心であるスズキが、日本のみならず世界でも躍進を続けていることを意外に思う方もおられるかもしれません。
しかし、新興国を中心に小型車ニーズが高い国は多く、特にインドではスズキが新車販売台数の約半分を占めるほどの圧倒的なシェアを確立しています。
一方で販売台数の8割近くがインドと日本に集中しており、特定地域への依存度が高い点は留意が必要でしょう。
カーボンニュートラルや自動運転技術への取り組みについては、トヨタ自動車と協力関係にあります。
2023年3月決算では296億円増益、最終利益1,900億円が見込まれています。
【7201】日産自動車
銘柄名 | 日産自動車 |
銘柄コード | 7201 |
株価 | 607.1円 |
時価総額 | 2,562,396百万円 |
PER | 6.699倍 |
PBR | 0.43倍 |
一株配当 | 15.0円 |
配当利回り | 2.47% |
株主優待 | 紹介者購入特典(5,000円分のデジタルカタログギフト) 株主購入特典(10,000 円相当のデジタルカタログギフト) |
日産自動車は、ルノー・日産・三菱アライアンスグループを形成している多国籍自動車メーカーです。
経営不振をうけて1999年にルノーの出資を受け入れ、現在ではルノーが43.4%の株式を保有している一方、日産自動車は三菱自動車の株式を約34%保有しています。
カーボンニュートラルへの取り組みでは電動化に特化した戦略をとっているのが特徴で、新車販売の8割がハイブリッド車や電気自動車(EV)などの次世代自動車となっています。
自動運転技術では、レベル2相当の「プロパイロット2.0」をコンパクトカーとして初めて「ノート」に搭載するなど実用化に取り組んでいる他、自動運転技術のトップランナーとも言われるウェイモと提携を行っています。
もし今後ウェイモが日本市場に進出することになった場合の利権は、日産が得ている形といえるでしょう。
業績面では注力している中国市場でのロックダウンや感染拡大の影響を受けて、2023年3月決算では約605億円の大幅減益、最終利益1,550億円となる見通しです。
【7270】SUBARU
銘柄名 | SUBARU |
銘柄コード | 7270 |
株価 | 2,613円 |
時価総額 | 2,009,857百万円 |
PER | 9.50倍 |
PBR | 0.90倍 |
一株配当 | 76.0円 |
配当利回り | 2.91% |
株主優待 | なし |
SUBARUは、太平洋戦争時の中島飛行機を源流に持ち、戦後は自動車分野に転換した中堅自動車メーカーです。
静粛性、低振動、低重心などの特徴をもつ水平対向エンジンの技術に優れ、同エンジンは世界でもSUBARUとポルシェだけが採用しており、大衆車に搭載しているのはSUBARUだけという特徴があります。
脱ガソリン化への社会の要請に応える形で、2030年代前半までには販売する自動車全てに電動技術を搭載することを目標として掲げていますが、現時点では次世代自動車の販売比率は35%程度に留まっています。
自動運転に関しては多くの国内他社と概ね同水準で、レベル2相当の先進運転支援システムである「アイサイト」の搭載が進んでいます。
原材料価格の高騰を価格改定で対応しているなど、堅実な経営により2023年3月決算では約1,400億円増益、最終利益2,100億円となる見通しで、増配による高い配当利回りが見込まれています。
【7202】いすゞ自動車
銘柄名 | いすゞ自動車 |
銘柄コード | 7202 |
株価 | 1,780円 |
時価総額 | 1,383,847百万円 |
PER | 8.90倍 |
PBR | 1.01倍 |
一株配当 | 80.0円 |
配当利回り | 4.49% |
株主優待 | なし |
いすゞ自動車は、トラックやバスなどの商用車を製造する自動車メーカーです。
販売台数では長年にわたって日野自動車の後塵を拝してきましたが、日野自動車の不正問題により同社の業績が急激に落ち込んだことで2022年にはいすゞ自動車が大型・中型貨物車の販売台数で首位に立ちました。
かつては乗用車も製造していましたが、商用車に経営資源を集中するため、2002年に撤退しています。
しかし現在はタイを拠点に海外市場限定でピックアップトラックの製造・販売を行っており、こうした海外事業が堅調であることを背景に、2023年3月決算では過去最高益となる最終利益1,400億円が見込まれています。
また好業績を受けて配当金の増配も予定されており、配当利回りは4.73%の高水準となっています。
【7261】マツダ
銘柄名 | マツダ |
銘柄コード | 7261 |
株価 | 1,412円 |
時価総額 | 892,107百万円 |
PER | 6.84倍 |
PBR | 0.59倍 |
一株配当 | 45.0円 |
配当利回り | 3.19% |
株主優待 | なし |
マツダは広島県府中町に本店を置く中堅自動車メーカーです。
元々はロータリーエンジンに強みを持ったメーカーでしたが、排ガス規制や燃費規制への対応が困難となったことで、2012年以降は搭載車が無い状態が続いていました。
しかしここへきて、プラグインハイブリッド車「MX-30」の発電用エンジンとして、ロータリーエンジンが復活したことで話題を呼んでいます。
とはいえ、マツダの新車販売に占める次世代自動車の比率はわずか30%ほどで、世界はおろか国内自動車メーカーの中でもかなり出遅れている状態であることは否めません。
マツダは2030年までに電動化比率を100%、EV比率を25%にすることを想定しているとしていますが、こちらも他社と比較すると控えめな目標といえるでしょう。
一方で足元の業績は堅調で、2023年3月決算では484億円増益、最終利益1,300億円が見込まれています。
配当利回りも4%ほどと高い水準であり、魅力的な銘柄の一つといえるでしょう。
配当利回り比較:高配当銘柄はどれ?
ここまでにご紹介してきたとおり、2023年度の自動車株はほとんどの銘柄で増収増益の見通しとなっています。
そのため、配当政策でも株主還元を強めている企業が多いのが特徴です。
銘柄 | 一株配当(2023/03予想) | 配当利回り | 前期配当性向 |
---|---|---|---|
【7202】いすゞ自動車 | 72円 | 4.73% | 40.5% |
【7261】マツダ | 40円 | 4.02% | 15.4% |
【7270】SUBARU | 76円 | 3.74% | 61.3% |
過去最高益となる見通しのいすゞ自動車を筆頭に、マツダやSUBARUで4%前後の高い配当利回りが見込まれています。
特にSUBARUについては直近4期の配当性向がすべて50%を超えており、株主還元を非常に重視していることが伺えます。
一方、マツダは配当性向は低いものの、株価が他社と比較すると割安感があるため高い配当利回りになっていると考えられます。
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証券会社にはそれぞれ違う強みがありますので、ご自分の経験や投資スタイルに応じて選んでいきましょう。
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名称 | IG証券 |
取扱商品 | 株式CFD、株価指数CFD、商品CFD、FX、ノックアウトオプション |
取引手数料 | 0.055%(CFD取引・日本株) |
公式サイト | IG証券の公式サイト |
関連記事 | IG証券の口コミ・評判 |
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特に株式CFDでは「買い」だけではなく「売り」から取引を開始することもできるため、高く売ってから安く買い戻すといった方法で利益を追求することも可能です。
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名称 | SBI証券 |
取扱商品 | 株式、債券、FX、先物オプション、投資信託、各種CFD |
取引手数料 | 55円~1,070円(スタンダードプラン・国内株式) 0円~約定代金に応じた額(アクティブプラン・国内株式) |
公式サイト | SBI証券の公式サイト |
関連記事 | SBI証券の口コミ・評判 |
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自動車株の今後の見通し/予想
直近は好業績を記録している銘柄が多い自動車株ですが、今後の見通しはどのように予想されているのでしょうか。
ここでは注目したいポイントを3点ご紹介します。
- 脱ガソリン化と自動運転技術が今後の成長テーマ
- アジアや新興国市場などを中心に需要増加が続く見込み
- 世界経済のリセッション(景気後退)に注意
脱ガソリン化と自動運転技術が今後の成長テーマ
世界的な環境意識の高まりにより、持続可能な社会への取り組みがあらゆる分野で求められています。
特に二酸化炭素の排出量が多い自動車分野では、2030年代を目途にガソリン車の販売禁止を目指す動きが世界的に進んでおり、自動車メーカー各社が事業を継続していく為には次世代自動車への対応が待ったなしの状況となっているのです。
既に次世代自動車へのシフトが進んでいる日産自動車・本田技研工業・トヨタ自動車などに対し、ガソリン車主体の構造からの脱却が遅れているマツダやSUBARUという構図が今後のどのように展開していくかが、各社の株価にも影響していくことでしょう。
また、自動運転や運転支援システムは利便性だけでなく、自動車の安全性能にも直結する重要な技術として位置付けられています。
大手ITハイテク企業の参入も相次ぐ中、こうした先進技術に対応できるかどうかによっても明暗が分かれていく可能性が高いでしょう。
アジアや新興国市場などを中心に需要増加が続く見込み
日本自動車工業会のデータによると、日本の自動車保有台数は人口1.6人あたりに1台とされています。
他の主要先進国のデータを見ても、ドイツ・フランス・イギリスは日本と同水準、アメリカに至ってはなんと人口1.1人あたりに1台というから驚きです。
先進国では既に自動車保有台数が飽和しきっている状態といえるでしょう。
一方で全世界に目を転じてみると、5.1人あたりに1台という割合まで下がります。
発展途上国や新興国の経済成長によって、今後も当面の間は自動車需要の増加が続く見通しです。
世界経済のリセッション(景気後退)に注意
新興国市場や技術開発の面でまだまだ発展の余地がある自動車株ですが、世界経済の動向には注視が必要です。
米国では2022年3月以降続いてきたFRBによる利上げが打ち止めとなる観測がでるなど、景気後退への警戒感が強まっています。
また世界銀行は1月10日に発表した「世界経済見通し」の中で、今年は世界的に景気後退期に入る可能性が高いと警鐘を鳴らしています。
「世界経済見通し」では、2023年の経済成長率は世界平均で1.7%と予測しており、これは2000年以降で3番目の低水準です。
2024年には2.7%の成長率まで回復する予測となってはいるものの、当面は景気後退による株価の下落リスクに十分に注意する必要があるでしょう。
世界銀行とは:
途上国の貧困削減や開発支援を目的として、世界の約190カ国が共同運営する国際機関です。国際復興開発銀行(IBRD)と国際開発協会(IDA)の二つの機関で構成され、それぞれ中所得国と最貧国へ融資を行っています。
参考:2023年1月 世界経済見通し
自動車株に関するよくある質問
ここでは、自動車株に関するよくある質問と回答をまとめています。
これから自動車株への投資を検討される際は、ぜひ参考にしてみてください。
自動車株の取引がおすすめな人は?
自動車株は、典型的な景気敏感株であることは前述したとおりです。
加えて為替相場の影響も受けやすい構造になっており、株価の変動が比較的大きいセクターといえます。
そのため、キャピタルゲイン(売買差益)を期待したい人におすすめといえるでしょう。
また、キャピタルゲインに加えてインカムゲイン(配当収益)も追及したい人は、トヨタ自動車などの高配当銘柄を検討してみるのもよいでしょう。
自動車株の主な上昇要因・下落要因は?
景気敏感銘柄であるとともに輸出割合の高い自動車株は、基本的に好景気と円安によって株価が上昇しやすい傾向があります。
これは好景気によって自動車に対する購買意欲が高まることと、円安による為替差益で海外販売の利益が膨らむ為です。
またローン金利の下落も自動車販売を下支えするため、自動車株にとっては追い風といえるでしょう。
逆に不景気と円高、そして金利の上昇は自動車株の下落要因ということになります。
自動車株は海外での販売比率が大きいため、こうした切り口を銘柄ごとの主要輸出先にあてはめることで、上昇・下落の見通しを探ることができるでしょう。
為替の影響が大きい銘柄と小さい銘柄の違いは?
海外での販売台数が占める比率が高ければ高いほど、為替の影響を受けやすいことは容易に想像できることでしょう。
しかし実際にはそれだけでなく、国内生産と海外生産の比率によっても為替の影響に大きな違いがでてくるのです。
為替レート | 生産コスト/台 | 海外販売価格/台 | 利益/台 |
---|---|---|---|
国内生産・海外販売 (例:1ドル 150円) | 100万円 | 1万ドル (150万円) | 50万円 |
国内生産・海外販売 (例:1ドル 120円) | 100万円 | 1万ドル (120万円) | 20万円 |
海外生産・現地販売 (例:1ドル 150円) | 7,000ドル | 1万ドル | 3,000ドル (45万円) |
海外生産・現地販売 (例:1ドル 120円) | 7,000ドル | 1万ドル | 3,000ドル (36万円) |
上記の例でみるとドル円相場が150円から120円へ円安になった場合、国内生産して海外輸出しているケースでは、1台あたりの利益が50万円から20万円へと約6割も減少しています。
一方で海外生産して現地販売しているケースでは、1台あたりの利益が46万円から36万円へと約2割の減少に留まっています。
このように国内生産よりも海外生産の方が為替変動で受ける影響が小さい傾向があるのです。
自動車株に投資する際は、その自動車メーカーの国内・海外における生産と販売の比率について調べてみることで、為替の影響度合いをイメージしやすくなるでしょう。
おすすめ自動車株のまとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は自動車株の特徴や今後の見通しを、おすすめのランキングとともにご紹介してきました。
- 自動車株は景気変動や為替相場、原材料供給などの影響を受けやすい
- EVなどの次世代自動車と自動運転技術への技術開発競争が今後の鍵
- アジアや新興国を中心に、世界的な需要増が続いている成長分野
- 短期的には世界経済のリセッション(景気後退)の兆候に注意!
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株価の上昇局面・下落局面を問わず利益を追求できるため、景気や為替に左右されやすく値動きが比較的大きい自動車株でも相場に応じた柔軟な取引が可能です。
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