カナダドルの今後の予想/見通しを徹底解説!【初心者向け】
カナダの法定通貨であるカナダドルはメジャー通貨と認識されており、活発な取引が行われています。
CADJPYで見るとトレンドを作りやすい傾向にあるので、高額な利益を出しやすい通貨ともいえます。
このページではそんなカナダドルについて、基本情報から今後の見通しまで詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、FX取引の参考にしてみてください。
- カナダドルの基本情報
- 2020年3月から2024年4月時点まで上昇中
- カナダは資源国のため原油価格の影響を受けやすい
- アメリカとの密接な関係にあり、連動した動きになりやすい
- 政策金利の変更に注意
- 各社予想
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カナダドルの基本情報
カナダの法定通貨であるカナダドルは、アメリカとの経済的関係から米ドルの影響を大きく受けやすい傾向にあります。
また、石油や天然ガスなどのエネルギー資源が豊富であることから、資源国通貨として原油価格の影響も受けやすいです。
原油価格の影響を受けやすく、原油の上昇→カナダドルの上昇、原油の下落→カナダドルの下落といった相関性があります。
- BOC政策金利発表
- 雇用統計(失業率、雇用者数変化)
- 四半期GDP(国内総生産)
上記の指標が特に意識され、指標後には活発な値動きとなる傾向にあります。
カナダドルの現在の為替レート
2024年4月時点では113円台で推移しており、金利と原油価格の上昇を受けて、CAD高トレンドとなっています。
また、対円相場で見ると円安の影響を受けて大きく上昇したという経緯もあります。
2020年2月は82~84円で推移していましたが、コロナショック後に73円台まで売られ、その後1年かけて値を戻しました。
USD/CADのチャートを見ると現在に至るまで大きなトレンドは発生していません。
カナダドルの買いと米ドルの買いが均衡している状態と言えるでしょう。
カナダドルのこれまでの変動要因
次にカナダドルのこれまでの変動要因を見ていきましょう。
2015年1月にカナダ銀行(カナダの中央銀行)が政策金利の引き下げを開始しました。
それまで1%だった政策金利が2015年1月に0.75%、同年7月には0.50%まで引き下げられたことを受けて、強いカナダドル売りとなっています。
同年は原油価格の急落もあり、資源国としての経済の先行き不安からも値を下げました。
2016年は原油価格の回復に伴い多少は買い戻されましたが、2017年以降はアメリカ経済の停滞に連動してカナダドルも徐々に値を下げています。
2020年3月には新型コロナウィルスの世界的な流行を受け安値更新しましたが、現在に至るまで価格を持ち直している状況です。
ロシア・ウクライナ情勢悪化による原油価格高騰や、円安の影響・米金利上昇による連動したカナダドル買いなどが要因となって、現在は113円台で推移しています。
2024年に予想されるカナダドルの変動要因
次に2024年に予想されるカナダドルの変動要因を紹介します。
過去チャートから見ても、カナダドルの変動は以下の3つが要因で動く傾向にあります。
- 原油価格
- 米国経済
- カナダ経済・政策金利
長期トレードでは特に重要なポイントとなるので、ぜひ参考にしてみてください。
原油価格
資源国通貨として、原油価格が最大の変動要因の一つとなっています。
過去には新型コロナウィルスの感染拡大による需要減少を背景に、WTI原油先物価格が史上初のマイナスとなり話題となりました。
その後、需要は低迷を続けているものの、ワクチン開発を受けて需要回復が期待されたことに加え、供給面でも減産が続いたことで、足もとの価格はコロナ前の水準に近づいています。
原油価格がマイナス圏になった時も、カナダドルの急落が起きました。
また、その後に価格を戻し始めてから同じようにカナダドルも買いが入る状況となっています。
原油価格の変動はカナダドルの動きを見るうえで、切っても切り離せない相関関係にあるといえます。
参考までに、以下の表はWTI原油価格の大まかな推移です。
年代 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
価格($/バレル) | 48.71 | 43.19 | 50.76 | 64.82 | 57.01 | 39.31 | 74.56 | 77.56 | 83.88 |
2022年2月からのロシア・ウクライナ情勢の悪化、2024年の中東情勢悪化により、現在は原油価格の高騰が続いています。
資源国通貨であるカナダドルも相対的に上昇が続いている状況です。
米国経済
原油や資源、エネルギーと共に大きく影響を与えるのはアメリカの経済状況です。
新型コロナウィルスやインフレで経済の落ち込みを見せていたアメリカですが、2024年は経済回復が期待されています。
連動してカナダドルの動きにも影響を与える可能性が高いので、米ドル関連のニュースや指標には注目していきましょう。
- FOMC
- 米国雇用統計
- 国内総生産(GDP)
- ISM製造業景況指数
- 消費者物価指数
カナダ経済および政策金利
カナダの金利は2024年現在5.00%です。
2021年の第一期はマイナス成長が予想されることから、短期的に不安定な経済状況が予想されていました。
2020年から2021年の段階では、マイナス金利の導入も示唆されていましたが、2022年3月から段階的な利上げを実施しています。
新型コロナの影響で0.25%までの利下げが続いていましたが、徐々に金利を引き上げています。
しかし、2023年後半からの直近では据え置きが続いており、利上げサイクルの終了が示唆されています。
カナダドルの今後の予想・見通し
次に、各会社が予想しているカナダドルの今後の見通しと予想を見ていきましょう。
価格や変動予想は長期トレードであれば特に重要視したいポイントです。
情報収集をしっかりと行い相場分析をしていきましょう。
三菱UFJ銀行
当局総出でインフレ退治の総仕上げが進むなか、マックレム総裁はコロナ禍中の政策運営においては、金融緩和解除の遅れが、強い物価上昇圧力をもたらした、と悔悟する。今次引き締め局面からの転換についてはこの反省に立ち、機を逸しないよう判断することとなろう。ただ、労働市場の逼迫解消に向けた動きは積極的とは言い難い。住宅需給対策として移民の流入ペースを絞ることは、むしろ賃金インフレ圧力につながる可能性もある。
MUFG – FX Monthly
カナダ中銀がタカ派的姿勢を崩さない状況もカナダドル高を支える要因と指摘しています。
野村証券
野村証券では、2024年のカナダドルを以下のように述べています。
3月会合でBoCは利下げに向け慎重姿勢を維持したものの、1-3月期BoC消費者・企 業見通し調査で基調的なインフレ圧力の低下が確認されると見られ、市場では4月及 び6月会合に対する利下げ期待が更に台頭する公算が大きい。目先はBoCの利下げ に慎重な姿勢がカナダドルの支えとなるものの、徐々に利下げ開始に向けたデータが 揃う中でカナダドルの上値は重くなる展開が予想される。
野村證券 – 国際金融為替マンスリー 2024年
野村証券では、今後のカナダドルを米国経済やBocの政策金利動向に左右されるとしています。
現在アメリカの経済が低迷する中でカナダ経済にも連動して悪化が見られるのは懸念です。
しかし、原油価格の高騰や中銀の強気姿勢はカナダドルを下支えする可能性があるとしています。
各社予想まとめ
以上のように、各社とも直近相場ではカナダ中銀の動向に注視すべきとしています。
カナダでは現在インフレ抑制のために段階的な利上げが続いていましたが、経済悪化の懸念もぬぐい切れません。
利上げペースが徐々に縮小していることもあり、落ち込んだ経済に復活も見えてきそうです。
また、原油価格の動向はカナダドルを支える材料との見通しは共通しています。
原油価格の動向や各国での需要次第ではカナダドルを下支えする材料となり得るでしょう。
本記事の解説を踏まえながらも、最新の情報をアップデートして丁寧に分析していきましょう。
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